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足元の事象から長期の将来を予測し、それに備える重要性

2021-03-19

将来予測の重要性

2021年現在、電車の中を見渡しても新聞や雑誌を持ち歩いている人を目にすることはほとんどなくなったし、誰かに道を尋ねるといったこともなくなった。私が小学生の頃にはまだ一部の駅に「伝言板」なるものがあったが、今ではそんなものはどこにもない。
すべてを変えたのはスマートフォンの登場である。iPhoneが発売されたのは2008年7月だが、その頃はここまで世の中を変えてしまうとは誰も想像していなかったに違いない。2008年というと私は高校生だったが、私自身も「iPhoneなんていらない」と思っていたがその後2~3年であっという間に普及した。
スマートフォンの例のように、新しいテクノロジーが出たとき、世の大多数の人は(最初は)否定的である。産業革命のときにはラッダイト運動が起きたし、ライト兄弟が飛行機を発明した時にも大衆はその価値に気づかなかったらしい。今機関投資家が続々と参入しているビットコインも、ついこの前まで懐疑的な見方の方が多かった。
テクノロジーの変化に限らず、多くの将来予測に対して人は懐疑的だ。先日、日経平均が3万円を超えたが、数年前まで日経平均3万円と言うと鼻で笑われたものだ。
しかし、振り返ってみれば「スマートフォンの可能性」にいち早く気付いた人がスマートフォンに合わせた新しいサービスを形作っているし、ビットコインの価値に気づいた人や日経平均の上昇を予測した人が富を得ている。重要なのは、“正確な”未来予測をすることではなく、未来にどのような可能性とリスクがあるかを正しく知り、しっかりとそれに合わせた行動を行うことであろう。

現在を見つめれば未来の形はつかめる

ここまでもっともらしく語ってきたが、私自身、先日元マイクロソフト社長の成毛眞さんの著書「2040年の未来予測」という本を読み、将来予測の重要性について改めて認識を持ち、直近の株式市場やビットコイン価格の高騰をみて悔しい思いをしている一人である。
それではどうすれば将来を予測できるのだろうか。今ご紹介した成毛眞さんの著書には「これから起きる新しいテクノロジーの変革は、すでに今、その萌芽がある。」「新しい技術は突然現れない。すでにある技術の改良や組み合わせで登場することがほとんどだ。」と述べられている。つまり、現在を見渡せば未来は見えるということだ。
確かに、これはテクノロジーに限らず言えることだ。これほど早く日経平均が3万円に到達するとは思わなかったが、2013年の世界的に金融緩和政策がとられて以降、世界的に通貨共有量の絶対額が増加しているので相対的に現金の価値が下がり、資産価格が上昇するというシナリオは予測されていた。実際に、第二次世界大戦のときには戦時国債の大増発で現金の価値が相対的に下がり、日本株が上昇するということは歴史的にも起きていた。
現在を見つめて予測すれば、それに合った行動はとれていた、ということだ。

一方で、目先の些細な変動は気にしない、予測できないことは仕方がない

「そうはいっても、結局将来のことなんてわからないよ」という人がいるかもしれない。確かに、来年や再来年など短期的な将来予測は、不確定要素が大きすぎて難しいが、超長期の予測になれば不確定要素は減り、予測はしやすくなるものなのだ。確率論と同じである。
ほんの2年ほど前まで、コロナが来るなんて考えもしなかったが、それでもコロナ禍で爆発的に普及したNetflixなどのサービスや、フードデリバリーサービスは普及が見込まれていた。大筋の予測は変わっていない。目先の事象にとらわれず、10年20年(場合によってはそれ以上)の大局を予測することが大事なのだろう。
おそらくこれは企業経営においても同じことが言える。来年や再来年の社会を正確に予測することは難しいが、20年30年先にほぼ間違いなく起こる温暖化や社会課題をどのようにとらえていて、その時にどのような企業でありたいと考えているのか、そういった長期的なビジョンを持ち、ブレずに行動をする企業だけがこれからの時代を生き残っていくのかもしれない。

MAVIS PARTNERS アソシエイト 渡邊悠太

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