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一つの経験からいかに汎用的な知識を得るか(アナロジー思考の重要性)

2020-07-24

出来るコンサルタントはアナロジー思考が得意

コンサルタントの仕事に一つとして同じPJはない。

ある業界の特定テーマしか扱わないスペシャリストになれば話は別かもしれないが、我々のように少人数で全インダストリーを扱い、M&AのPreからPostまで一気通貫でサポートするファームでは、あらゆる業界のあらゆるテーマのご依頼が舞い込む。

しかし、だからと言って毎回毎回一から勉強しているわけではない。(もちろん業界動向や依頼テーマの知見など最新のものはキャッチアップする)出来るコンサルタントほど過去に経験したPJから何らかの類似性や関係性を見出して知見として活用する。あるいは、これまでの人生で経験してきたことや日常の出来事もアウトプットに役立てようとする。つまり、あらゆるものから学び取り、学んだことはなんにでも使うのだ。

PJで上司からFBを受ける度に、例え話の分かりやすさや、共通項を見つけたり本質を捉える早さに驚くのだが、どうやらこの思考法にはアナロジー思考という名前があるらしい。

詳細な説明は割愛するが、アナロジー思考とは「個別事象から汎用的な知識・本質的な構造を学び、別の分野に応用する思考力」のことであり、才能ではなく身に着けられるスキルなのだ。

アナロジー思考自体は、実は誰でも日常的に使っている

実は、アナロジー思考自体は誰でも日常的に使っている。

ふとした時に、これとこれって似ているなと感じ、そこから学びを得た経験は誰しもあるのではないか。

例えば私は、スキューバダイビングのプロライセンスを持っているのだが、証券会社で営業をしていた時に、ダイビングガイドと証券営業が同じだという学びを得て、営業成果が向上した経験がある。

ダイビングガイドは刻々と変わる自然を相手に、スキルレベルの異なるお客様に対して海中をナビゲートする仕事だ。お客様ごとのスキルやニーズを見極め、初心者には手取り足取り指導し、上級者には最低限のサポートのみする。

一方、証券営業は刻々と変わるマーケットを予測し、投資初心者から百戦錬磨の投資家まで様々なスキルを持ったお客様に対して金融サービスを提供する仕事だ。初心者には丁寧に説明するが、プロに対しては必要な情報を適切なタイミングで提供する。

どちらもお客様の経験やニーズを適切に把握し、外部環境(マーケット状況/海況)を素早く見極め、適切なサポートを適切なタイミングで行い、失敗すると致命傷を負う(損をする/命に係わる)という点で本質的には同じ仕事だ。

アナロジー思考が弱い人は、「これはこれ、あれはあれ」と割り切って考えている

上記の例はひらめきに近い学びで、私はもともとアナロジー思考が苦手だと思っている。

苦手な理由は、経験した事柄を、「これはこれ、あれはあれ」と別々の事象と捉えてしまっているからだと気づいた。遊びの中からも仕事に活かせる学びはあると分かってはいるが、無意識に別の事柄と考えてしまっている。だから学んだことの応用が利かないし、アウトプットも全て一から考えてしまい効率が悪かったのだろう。

皆さんの中に、胸を張ってアナロジー思考が得意だといえる方は何人いらっしゃるだろうか。

M&A巧者と言われる会社ほど、1つの案件から愚直に学びを得ている

このようなアナロジー思考は、会社がこれまでの経験を学びに変えて組織のレベルを向上していくことにも通じているのではないだろうか。

例えば、M&Aが苦手な企業ほど、「この案件を深掘りしても別の案件に活かせる学びなんか得られない」と、無意識に考えてしまっているようだ。一方で、M&A巧者と言われる企業や、M&Aを日常的に行う外資系企業は、「一つの案件から学び取れるだけ学び取る」という姿勢が強い。M&A案件の振り返りを定期的に行い、得られた知見を社内に展開している。

 

様々な経験を積むことや、インプットを増やすことももちろん大事だが、アナロジー思考を身に着け、一つの経験から別の分野に展開できる学びを得られると応用力が上がるのと同じように、会社もM&A案件一つ一つを振り返り、次の案件に応用できる学びを得ることが、M&A力向上の近道なのかもしれない。

MAVIS PARTNERS アソシエイト 渡邊悠太

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