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今制度が整っていないからこそ一発逆転高度な制度が構築できるかも!?リープフロッグ現象

2020-08-14

いまアフリカで先進国を凌駕するイノベーションが起きている

「輸血用の血液をドローンで運ぶ」、「銀行口座がなくとも日常の全ての支払・送金・受取がキャッシュレス」、「いつどこにいても郵便物が自分の手元に届く」などなど、、

まるでこれから新たに展開されるサービスのようだが、ある国々では数年、あるいは10年以上前から事業化されている。

さて、これらのサービスがどこで展開されているかご存じだろうか?

アメリカ・シリコンバレーや、アリババの本拠地中国・杭州、電子国家で有名なエストニア、ではない。実は全てアフリカの国々である。

ドローンによる血液輸送サービスは、東アフリカの内陸国・ルワンダで展開されており、陸路だと4時間程度かかる距離でも15分で輸送できるそうだ。事故で救急搬送された患者に対しても、すぐに血液を病院に送り届けることが出来る。

キャッシュレス決済や郵便サービスはどちらもケニアで展開されており、マサイ族の人たちは家畜の購入時にスマホで決済し、位置情報を送って現在地に郵便物を届けてもらっているらしい。

いまアフリカでは、上記のような先進国以上に便利なサービスが次々と展開されているらしく、こうした現象を経済学では「リープフロッグ現象」と呼ぶ。リープフロッグ=蛙飛び、という意味で先進国が歩んできた技術進歩を飛び越えて最先端テクノロジーが広まることを意味している。確かに、気にしてみるとアフリカのテクノロジーやベンチャー関連の記事は毎日のように新聞をにぎわせている。

元々制度が整っていなかったからこそ爆発的に発展した

ここで気になるのは、上記のようなサービスはなぜ先進国ではなくアフリカで爆発的に普及したのか、ということである。

それは、逆説的だが、基礎インフラや制度が未整備だったからこそ爆発的に普及した、ということだ。

もともとルワンダは、道路も未整備で電気も通っておらず、都市も形成されていなかった。しかし、道路がないからこそ“空の輸送網”を整備するという発想が生まれ、高い建物がないからこそドローンを自由に飛ばせたのである。

ケニアも同じく、固定電話が普及していなかったからこそスマホが一気に普及し、低所得で銀行口座を開設できなかったからこそモバイルマネーの利用が爆発的に進んだのである。また、全ての建物に正式な番地が振られていなかったからこそ、建物ではなく人に郵便物を届けるサービスが普及したのである。

一方で先進国では、既に既存のサービスや制度があるからこそ、そのサービスや制度を前提とせざるを得ないのである。

法人の場合も、未整備だからこそ高水準のものを一気に導入できるのではないか

制度が整っていないからこそ一発逆転できるというのは、先進国と後進国のビジネスに限ったことではない。法人の社内制度や社内規程が未整備である場合にも当てはまるのではないだろうか。つまり、制度が未整備だからこそ他社よりも高度なものを導入しやすいという場合もあるのだろう。

例えば、もともとM&A経験が乏しく、M&Aを実行するための社内の制度や仕組みが未整備だったからこそ、既存のやり方に囚われず合理的な投資判断プロセスを検討でき、他社よりも優れた意思決定プロセスを構築した企業の例もある。

あるいは、経営統合した企業の体制が未整備だったからこそ、一から検討してあるべきガバナンス体制を構築でき、統合後の事業計画をスムーズに進めることが出来たという経営統合の事例もある。

「制度が整っていないので、まずは最低限の仕組みを整えたい」という要望を聞くこともあるが、今社内に無い仕組みや制度を構築する際には、高水準の制度を導入しやすいチャンスなのだ。

最低限とか他社水準といったところにあまり拘らず、目指せる最高水準という発想を常に持ち、クライアントを支援していきたい。

MAVIS PARTNERS アソシエイト 渡邊悠太

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