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個人でもチームでも“感情”をコントロールすることの重要性

2021-01-15

個人でもチームでも“感情”をコントロールすることの重要性

自己管理において感情・健康・時間の3つの内、感情管理が最も難しい

人の調子には浮き沈みがある。気分や感情が落ち込んでいるという場合もあれば、風邪などで体調が悪いという場合や、時間に追いかけられて余裕がないという場合もあるだろう。あるいはそのすべてが複合的に組み合わさって、何となく調子が悪いという場合もあると思う。しかし、そんな調子が悪い日でも一定のパフォーマンスを発揮し続けるために、自己管理をしなければならない。
最近私も様々な要因で調子が出ず悩んだことがあり、どうすれば自分の状態を一定に保てるか調べてみたところ大きく分けて下の3種類を意識すると良いらしい。
① 感情管理(ステートマネジメント)
② 健康管理(エネルギーマネジメント)
③ 時間管理(タイムマネジメント)
①は自分の感情を最適化するために行う工夫であり、気分が落ち込んでいるようなときに感情を変えるための自己管理方法である。②は文字通り運動や睡眠・休養を計画的に取ることで健康を維持するための自己管理であり、③はご存じの通り、自分がやるべきことをリストアップし、優先順位を付けて計画を立て着実にこなして行く自己管理である。どれも大事ではあるが、“どんな気分で仕事に取り組むか”は特に仕事の成果に大きく影響するので①の感情管理の重要性が最も高く、そして最もコントロールするのが難しいのではないだろうか。

感情を管理するために意識すべき3つの要素

感情は筋肉のようなもので適切な負荷をかけることによって少しずつ鍛えることが出来るものらしい。ただし、適切な負荷をかけるといってもやりたくない仕事を我慢してやって忍耐力を鍛えるということではなく、やりたくない仕事に対峙した時や仕事の難易度が高く上手くいかずに落ち込んだ場合などに丁寧に感情を変えて仕事に取り組む、ということを繰り返すことで仕事に対する適応力が高まるということらしい。
感情を作り出している要素は「意識」、「言葉」、「身体」の3つであり、この3つの要素をそれぞれ変えていくことで感情も変えることが出来るらしい。
「意識」は、目を向けるポイントや焦点を当てるポイントを変える、ということが重要らしい。例えば、気分が落ち込んでいる時にはどうしても目の前の仕事や仕事の難易度やめんどくささ、かかる時間の長さなど目の前のネガティブなことばかりに意識が向いてしまうが、それを意識的に達成感や成長などやり遂げた後に待っているポジティブな面に意識を向けるのである。
「言葉」は、望む結果を具体的に言葉にする(声に出さなくても良い)と感情がポジティブに変化しやすいらしい。例えば、「この仕事はなるべく早く終わらせたい」と言葉にするのではなく、「予定よりも10分早く終わらせたい」と考えると良いらしい。
最後の「身体」に関しては良く言われることだが、無理にでも良い表情、良い姿勢、良い呼吸をすることで、感情も自然とポジティブに変化しやすくなるということだ。

ヒト・モノ・カネの内、最も価値が可変する経営資源は感情や気分で発揮する能力が変化する“ヒト”

さて、ここまでは自分の感情のコントロールが重要だという話をしてきたが、チーム全体のモチベーションをコントロールする上でも、「意識」や「言葉」は重要だろう。個人の感情をコントロールする場合と同様に、チーム全体での目標を具体的に言葉にし、その目標を実現できた状態に意識を向けさせることで、チーム全体のモチベーションを維持できれば組織としての成果も大きく向上するのではないだろうか。
経営資源として挙げられるヒト・モノ・カネの内、ヒトにあって、モノ・カネにない最大の特徴は「可変性」である。モノもカネも一旦確定すれば、その後で量が変化するということは起きにくいが、ヒトの場合は「気分」や「感情」によって発揮できる能力の質が大きく変化するため、ヒトのモチベーションを維持することは組織の成果に大きく影響する。
M&Aにおいても、買収の目的を実現する上で、チームメンバーや現場の社員のモチベーション維持が重要だと思うが、なかなかうまくいっていないと感じられた際には、メンバーの意識が今どこに向いていて、望む結果を具体的に言葉にすることが出来ているか、確認してみてはいかがだろうか。

MAVIS PARTNERS アソシエイト 渡邊悠太

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