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仕事で出すべき自分ならではの味

2024-11-15

仕事で出すべき自分ならではの味

「美味いラーメン」議論は不毛

皆さん、友人・知人と話しているとき、”美味しいラーメン”の話になったことは無いだろうか。
私も学生時代と比べると、かなり脂っこいもの・味が濃いものへの耐性は薄れてきたが、いまだにラーメンはよく食べに行くが、自分が美味しいと思ったお店を他人に積極的に勧めることはあまりしない。その理由には、学生時代のとある記憶がある。
学生時代によく行っていた、とある飲食店の店長が「”美味しいラーメン”を紹介してくる奴が嫌いなんだよね」と言っていた。どういうことかと言うと、人それぞれ好きなラーメンの味や風味は異なるので、自分が好きなラーメンを他人に紹介して、「お前も食え」というような人間が、図々しくて嫌いということだった。
この店長は少し過激な発言をする人で、当時も「また言っているよ」くらいに聞いていたのだが、今思うと、この言葉って結構深いなと感じている。

それぞれの置かれた状況に合った提案や助言が必要

コンサルをやっていると、様々な先輩方のやり方や、その他先人たちが残していったフレームワーク、過去プロジェクトで使われた提案書や会議資料に目を通すことになる。そんな中、少しの気の緩みというか、自分への甘さから、提案時や会議資料作成時に、「過去に似たようなことを考えている資料は無いかな」と探して、それを流用してしまうことがある。
最近も、忙しさにかまけて、過去の提案資料の「焼き直し」で提案資料を考えたところ、上司に指摘されてしまい、非常に情けない気持ちになってしまった。
我々のような、特定の商品やソリューションを持たず、クライアントの悩みの解決に応えるコンサルティング会社の場合、特に万人受けする提案や助言というものは存在しない。だからこそ、クライアントの状況と真摯に向き合い、我々が提供すべき価値は何か?ということを考え、サービス内容も”オーダーメイド”で考えなくてはいけない。

まずは相手を知ること

「●●社へのアポが決まったから、初回訪問の準備をして」と言われたとき、まずすべきことは何だろうか?
これはコンサル会社によっても異なるのかもしれないが、MAVISの場合には、過去案件において、クライアント業界やプロジェクトテーマの偏りがあまり無く、未経験の業界やテーマについて考えなくてはいけないことが多い。そのような状況において、”オーダーメイド”のコンサルタントとして価値を出すために、重要になるのは、相手のいる業界や置かれている状況についていかに早くキャッチアップするかで、相手に対する理解がなければ、少なくとも今の仕事で価値を出すことは不可能なのである。
なので、この節の最初の問いに対する答えは、「とにかく今自分が使える情報ソースを使って、できる限り深く相手企業の状況や、属する業界に対する知識をかき集めること」になると思っている。
Webでキーワード検索して出てくる情報もそうだし、その業界に詳しそうな知人の話もそうだが、自分の”五感”でその企業や業界のことを知るというのも一つに手段になると思っている(相手が食品メーカーなら、そのメーカーの商品を食べるとか、相手が電機メーカーなら、そのメーカーの商品を買って使ってみるとか)。

普遍的な味では見向きもされない

ラーメンの好みには人それぞれ違いがあるとは思うが、人気のあるラーメン店に共通しているのは、独自の調味料等で他店舗と差別化された味を出していることでは無いだろうか。どこにでもある普遍的なラーメンというのは、腹を満たすために食べられたとしても、お気に入りの味にはなりにくいと思う。
我々コンサルタントが提供するサービスも同じで、自らの経験は活かししつつも、常に”独自の調味料”を加えていかないと、普遍的な味になって、いつか見向きもされなくなってしまう。
自分が今どんな味を出せば、相手のためになるのか?喜んでくれるのか?そんなことを常に意識しながらクライアントに向き合っていきたい。

MAVIS PARTNERS アソシエイト 井田倫宏

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