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フィードバックをする人と受ける人のGAP

2023-07-28

フィードバックをする人と受ける人のGAP

フィードバックをするのが苦手

私はフィードバックをするのが苦手だ。受けるのはウェルカムで、自分一人で考えるよりもよっぽど短時間でより良い改善につながるため、自分自身の成長、アウトプットの質向上、議論・検討の進展いずれの面でも有用だと感じている。部下にも「もっとこまめにフィードバックをもらうように!」と伝えている。
フィードバックをもらうように!と言っている一方で、自分がする側になると適切なフィードバックをできているのかがわからず、そもそもフィードバックをするのにも時間がかかるので面倒くさいと思ってしまうこともある。しかし、フィードバックをしないとアウトプットの品質面でも、その人の成長面でもよろしくないことが目に見えているのでフィードバックは避けて通れない。
そこで最近改めてフィードバックの仕方について、これまで見聞きしたやり方を振り返った時に、個人的に有効だったな・気を付けたいな、と思うものをまとめてみた。

1.自分とのGAPをフィードバックする

部下の成果物に対していろいろとコメントした際、自分のコメントをまとめると「何を言っているか意味が分からない」以上、であるケースがたまにある。本当に意味が分からない場合には仕方がない部分もあると思うが、それだと日本語の添削になってしまう場合がある。最近あるツイートで、「部下に対してフィードバックをするときには、同じお題を投げかけられたときに自分ならどうするか(どういう構造で整理するか、どのような示唆を出すか等)という“自分とのGAP”をフィードバックすべし」というような内容を見て、確かにそうだなと思った。過去、この人のフィードバックうまいな、と客観的に感じたコメントは確かにそういった内容も多かった気がするし、自分とのGAPでフィードバックを返せば、チーム全体の品質担保にもつながるはずだ。

2.なぜそう思うのかを聞く/伝える

部下の成果物の表面的な内容だけを見てコメントをするのではなく、「なぜそう思ったのか?」という考え方に対してフィードバックをしている上司がおり、すごく意味があるフィードバックだなと感動したことがあった。そもそもの考え方が間違っていてアウトプットがいけていないのか、考え方は筋がいいが、アウトプットの構造化や整理の仕方がよくないだけなのかがわかりやすくなるからだ。また、「なぜ?」というのは部下に聞くだけではなく、自分がフィードバックをするときにも、「なぜ自分はこうしたほうがいいと思うのか」まで伝えてあげると理解されるフィードバックになると改めて感じた。過去に、年上部下がいたときに、あまり理由を言わずに「ここ変だから直してください」と言い続けて喧嘩になったことがあったが、あの時に「あなたはなぜそう思うのか、私はなぜこう言っているのか」を伝えてあげればよかったのかなと反省した。

3.フィードバックは手短に

私は一度コメントをし始めると長くなってしまう傾向にあるのだが、フィードバックがうまいなと思う人を見ていると、端的にわかりやすくコメントしている。だらだら話していると大事なところが分かりにくくなるし、フィードバックする側は「たくさんフィードバックしてあげた!」と満足するが、受け手は「ようやく終わった、で、なんだったんだっけ?」と消化しきれないケースも考えられる。何事も端的に、簡潔に!を意識したい。

フィードバックを受ける側のコメント

と、ここまでは私が個人的に気を付けたいことを改めて整理した。一方で、ある部下に「過去、どういうフィードバックが参考になった?どういうフィードバックをされたい?」と直接聞いてみた。そうすると、「1.自分とのGAPをフィードバックする、というのはありがたい反面、自分で答えを探さなければならないのに、答えをもらっちゃった気がしてそれに従うのも迎合感が出て素直に受け取りづらい」というコメントをもらった。これを言われて確かに自分もそう思うかもと思ったし、MAVISのコンサルは良くも悪くも自分で解を見つけたがるのだなと感じた。また、「自分はこう思う、というのも正論ばかり伝えられても、確かにそうだけど現実的にそれを反映できるかはまた別なので現実感のあるフィードバックだとありがたい」とも言われた。何とも奥深いフィードバックの世界。こちらが良かれと思って伝えたフィードバックも受け手には満足されていないということが分かった。同時に、何でもかんでも受け手が満足するフィードバックを追求することは無理なので、あとは受け手に任せるとして、少なくとも自分ができる限りのフィードバックはしてあげようと思った。

MAVIS PARTNERS マネージャー 渡邊悠太

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