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プロフェッショナルは「準備」で差をつける

2020-10-09

買収先キーマン社員の家族構成、父母の居住地まで

先日、M&A仲介の方にお話をお伺いする機会があった。その中で意外だったのは、中小企業M&Aで肝となるキーマン引き留めのために、精緻なプロファイリングをしているということだった。買収後も対象企業で働いてくれるよう、社員への買収の開示の仕方や内容は非常に気を遣っている。キーマン社員の入社年次、家族構成、父母の居住地、等を踏まえ、これまで何を重視して働いてきたのかを精緻にプロファイリングし、適切な買収の開示の仕方を検討しているということだった。
その他、トップ面談における事前準備、DD前の事前調査など、多くの場面で「準備」を大事にしていると感じた。それは、単に「M&A仲介」として両社を紹介するだけではなく、その取引によってお互いがハッピーになって喜んでもらえるように、という想いがあるからこそ、こだわりを持って、きめ細やかな準備をされているのだと感じた。
そして、「仲介」と「コンサルティング」、畑は違えども、これが「プロフェッショナル」だと思った。

プロフェッショナルとは何か

それでは、改めてプロフェッショナルとは何なのだろうか。
コンサルタントの推薦図書としてよく挙げられる『プロフェッショナル原論(波頭亮著)』には、「高度な知識と技術によってクライアントの依頼を適えるインディペンデントな職業」と書かれている。
自分なりにもう少し噛み砕いてみると、下記3点が大きい特徴だと考えている。
①. 組織に依存せず、精神的に自立/自律していること
②. クライアントだけでは解決できないお題に対して、最適な解を導き出すこと
③. アウトプットにこだわり、コミットすること
プロフェッショナルであるために、日々の自己研鑽が必須であることは言うまでもないが、「準備」も欠かせない要素の一つだ。
先日、モトクロスのプロライダーの練習風景がテレビで流れていたが、毎回練習前にはその日のコースの状態を歩いてチェックするらしい。走行練習時間4時間に対して、事前準備が2時間。事前準備で、コースの状態からどこを走ると早く走れるか、シミュレーションしているようだ。スポーツの世界においても、ビジネスの世界においても、結果にコミットするプロフェッショナルにとって、「事前準備」は欠かせない。

準備は「ここまでやるか」と思われるくらいがちょうどいい

実際のビジネス現場での事例を挙げよう。
例えば、会議でより良い結果を出すためには、事前準備・会議運営・事後整理のうち、事前準備に8割の時間と労力を割く。難易度の高い会議であれば、会議設計をした後に、シミュレーションとして一度全体の流れを文字に落とし、躓きそうな箇所がないか、客観視する。会議参加メンバーが何を気にしているのか、どこに懸念を持ちそうか、想像力をめぐらせる。さらに、プロジェクトのオーナーは何を気にしているのか、そのアウトプットを見たときに何と言うか、何を質問してきそうか、そして、このアウトプットで相手を感動させられるのか、さまざまな視点で自問自答する。
会議準備や資料作成にそんなに時間をかけてられない、と思われるかもしれないが、そこで価値を出すことで我々は対価を得ているので、そこまでやる。
ただし、これはコンサルタント等の特定の職業だけでなく、大企業等に所属する方でも応用できる考え方だと思う。
例えば、M&AにおけるPMIの場面を想像してみよう。
シナジー創出を円滑にするために、トップ間で「この会社はここまでやるのか」と思われるくらいの本気度を見せるには何をしたら良いか、担当者レベルでも「こんなに頑張ってくれるのなら協力しよう」と思わせるには何をしたら良いか、を考えるにあたっては、やはり相手をよく知ることから始める必要がある。
より良いアウトプットを出したいときには、相手目線に立ち、どこまでやったら相手の期待値を上回るか、喜ばれるか、サプライズを与えられるか、という視点で、「準備」をしてみていただきたい。

MAVIS PARTNERS マネージャー 井上舞香

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