3.マネージャー

印刷

社会人こそ“習慣”が大事

2022-05-13

社会人こそ“習慣”が大事

今年に入って継続している“習慣”

私はこれまで、何かを継続することが苦手だった。例えば、毎日必ず本を読むとか、週末必ずジムに行くとか、毎日必ずあるテーマの勉強をするなどなど、継続しようと思っても忙しいことを理由に今日はいいや、とか今週はいいや、とか言い訳をしていつの間にか自然消滅していることが多かった。しかし、今年に入ってから、どんなに忙しくても晴れの日は欠かさず犬の散歩に行き、夜には走り、週末は泳いでいる。コンサルの仕事はプロジェクトによって検討内容は異なるのでなかなかルーティン的な仕事は少ないものの、どんなプロジェクトでも「いつまでにこれを決める」というなんとなく定められたルールがあるのだが、今までよりも順守出来ていると感じる。「習慣は大事だ」という言葉は誰もが聞いたことがある使い古された言葉だが、ここまで好影響があるのか、と身をもって感じている。

習慣を継続することで実感した効果

習慣を継続することで実感した効果は、まず1つ目に「仕事に対する集中力が上がった」ことである。今日は何時に走ろうとか、目安を決めておくことで、それに合わせて仕事の設計をするので、結果として時間内にアウトプットを出そうという集中力がかなり上がった。さらに、コンサルの仕事は本当に朝から晩まで(場合によっては朝から朝まで)仕事漬けになることもあるのだが、強制的に仕事以外の時間を作ることで、頭がリフレッシュされて走っているときに論点に解が出ることがあり、結果として仕事の効率も上がった。2つ目は、「自己肯定感が上がった」ことで、「自分って継続できるじゃん」とか「(私はトライアスロンをしているのだが)走るのも泳ぐのも早くなってきて大会が楽しみだ」とか自分に対してポジティブな感情を抱くことが増えた。これも仕事に好影響を与えている。3つ目、これはかなり意外だったのだが、「自分以外の人に割く時間が増えた」ということである。逆説的だが、自分の生活習慣や仕事の習慣を整えることで、ここからここまでは自分の時間だけど、この時間は部下に割けるとか、家族に割ける、という時間帯がかなり明確になったのだ。こういった効果は文章で書けば、「そりゃそうだよね」という効果かもしれないが、実感としてびっくりするくらい好影響を与えている。
習慣作りは大事というのは小さいころから言われているが、思えば学生の頃は決められた時間に学校に行って決められた授業を受けて決められた場所で決められた時間部活動に励み、部活でも大体毎年同じスケジュールで合宿、大会があるのでほぼ生活がルーティン化されていたなと思い出した。生活や仕事の進め方など、学生よりも自身の裁量が増える社会人こそ、習慣を意識しないと惰性で日々を過ごしてしまうなと強く感じた。

習慣を継続するための工夫

今まで継続できなかったことがなぜ継続できるようになったのか。一番大きな理由は、どんなに忙しくても何とか取り組めるくらいの粒度感の行動目標にしたことだと感じる。例えば、毎日ではなく「1週間で合計10km走る」などだ。習慣を作ろうとすると毎日何かをする、みたいな「継続」に主眼を置いた目標設定をしてしまいがちだが、毎日ではなくてもいいので取り組める「行動」に主眼を置いた目標設定をすることがミソだ。こうすると、1日で10km走った週は、それ以上走らなくてもいいし、5kmずつ週2日走るとかに分けることも出来る。しかも、10km以上走ると目標を超過しているのでなんとなく自分はすごいことをしているような気になってくる。結果として、毎週10km以上走っている。行動が出来れば自然と継続したくなるものなのだ。(少なくとも自分はそうだった)

企業文化も“習慣”

と、ここまでよくあるライフハック系の記事みたいなことを述べてきたが、この話を企業に当てはめてみると、ルーティン的に続けられていることは企業文化そのものである。例えば、私が新卒で入社した証券会社では、毎朝新聞の読み合わせをするとか、毎朝ラジオ体操するとか、カラオケの最後に必ずサライのようななんとなく決まっている習慣があった。こういった一つ一つの習慣が積み重なって企業文化を形成しているのだろう。ならば、M&Aや組織統合の際によく課題になる企業文化の理解・融合を進めるためには、何かしら習慣を作ってみることが良いのではないだろうか。習慣が根付くのは時間がかかるが、それが急がば回れなのかもしれない。

MAVIS PARTNERS マネージャー 渡邊悠太

Contact

お気軽にお問い合わせください

お問い合わせフォーム