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こどもとの接し方と部下との接し方

2023-04-07

こどもとの接し方と部下との接し方

「なにかお手伝いする!?」

先日、4歳になる親戚のこどもを預かり、一晩うちに泊めたことがあった。その日は平日だったので当然仕事があり、(MAVISは在宅OKなので私は家で仕事をする日も多いが)日中は妻にその子の面倒を任せて私は出社していた。
我が家には、犬2匹と3か月になるこどもがいるので、普段出社した日は、夕方には帰宅し犬の散歩をしてこどもをお風呂に入れ諸々の家事を済ませた後に仕事を再開することが多い。
「今日は親戚のこどもがいるから、家事はテキパキ終わらせて、少し一緒に遊んで、夜また仕事をやるか」
とそんなことを考えながら帰宅した。
帰ってまずはこどもたちとお風呂を済ませ、お風呂から出てご飯を作ろうと家事に取り掛かると、テケテケその子が近づいてきて「僕もなにかお手伝いする?」と尋ねてくる。
自らお手伝いをしようと申し出てくるなんてお利口さん!なんて思いながらも「(任せたら余計時間がかかってしまうし、預かっているこどもだから怪我でもしたら大変だし・・)今はお願いすることないかな~」と返事をした。
しかしその数秒後また、「なにかお手伝いする?」と尋ねてきた。その後も、私が何かしているとそのたびに「何かする!?」とお手伝いを申し出てくれた。

お手伝いのジレンマ

正直に言ってしまうと、こどもにお手伝いをしてもらわないで全部自分でやってしまった方がその場の家事はさっさと終わる。この時も、まったくお手伝いしなくてもいいよ、という気持ちの方が強かったのは事実である。
たが、まてよ、と。ここで私が、まったくお手伝いをしなくていいと断ってしまうと、その子の「お手伝いをしたい!役に立ちたい!」とい気持ちを摘むことになってしまうのではないか。断り続けるとお手伝いをしない、積極的に何かをしようとしないこどもに成長してしまうのではないか、短期的にはいま自分がやった方がさっさと終わるが、長期的に考えると今断ることは正しい選択なのだろうか、とかそんなことを逡巡しながら、結局はその子の手伝いたいという気持ちを尊重して、お皿を運んでもらったりお箸を並べてもらったりした。
この時は、結局あまり難しくなく、危なくもないお手伝いを頼んだので特に問題はなかったが、こどもにお手伝いをお願いすると、どうしても時間がかかってしまったりちゃんと出来なくて結局やり直したりすることがある、というのはよく聞く話だ。
この、お手伝いしてもらわない方が足元の家事はさっさと終わって効率が良いが、長期的にこどもの成長や自分の負荷のことを考えると良くないかもという、“お手伝いのジレンマ“とでもいうべきものを、身をもって体験した。

部下の育成も時間をかけて

この子とのやり取りを通して、「仕事で自分がプロジェクトの下のスタッフに対しても、やる気を摘まず何かを任せることができているだろうか」と振り返った。目先のプロジェクト運営のことだけを考えると、私がやってしまった方が早いしある程度確実なので実際に巻き取ってしまうことが多い。だが、今後の事を考えると任せた方が成長するしまわりまわって私も楽になるし、会社の成長にもつながる。頭ではわかっていて別のコラムでも似たようなことを書いた気もするが結局改善されていない気がした。
その後、育児サイトなどを見ているとやはりお手伝いを無下に断るのはよくないが、どうしても断る必要があるときにも上手な断り方があるらしい。また、お手伝いを任せるときも、「最初はわかりやすく説明し丁寧にお手本を見せ、時間がかかっても最後までやり切らせ、失敗しても叱らない。」とかお作法があるらしい。お手伝いができたときには、すぐ褒める、具体的に褒める、気持ちを込めて褒めるという「す・ぐ・き」という褒め方の3原則もあるらしい。部下とのやり取りにおいても参考になる部分も多いと感じる一方、自分は出来ていないことばかりだなと反省した。
こどもとのやり取りを通して仕事での部下との接し方を見直す必要性を感じた今日この頃。皆様の会社も4月になり、新入社員や新しい部下が入ってきたタイミングだと思うが、どのように接していらっしゃるのか。コンサルが尋ねる立場になるのもおかしな話だが、一度お話をうかがってみたいものである。

MAVIS PARTNERS マネージャー 渡邊悠太

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