1.アナリスト

印刷

議事メモの作り方と使い方

2022-11-18

議事メモの作り方と使い方

議事メモの作り方(行政編)

私はアナリストとして、各会議の議事メモの作成を行っている。私は行政時代、議事メモというものは、会議の中で“どの組織が”“何を”発言したか、ということを単に記録するものと理解していた。そのため、「XXについてはXXXと思う(○○社)⇒了承(◆◆部)」など、誰から誰への発言だったのか、という点を分かるようにだけ記載をし、事務作業として議事メモ作成を行っていた。
今思えば、行政側の保険(言ったことと、言ってないことを明確にして揚げ足を取られないようにする)という目的もあったと思う。ただ、発言ベースでつらつら書き連ねていると、何が重要か分からなくなってしまうため、議事メモの冒頭に総括として、会議の中で決まったことや、マイルストンとなるスケジュールを記載してみたこともあったのだが、その部分を丸々上司に削除されたことすらある。議論経緯の記録、という点がもっとも重要な議事メモの目的だったのだと思う。
※行政も組織ごとで議事メモ作り方が変わりうるため、あくまで、私が経験した限定的な内容であることをご留意いただきたい。

議事メモの作り方(MAVIS編)

一方、MAVISの議事メモは“傘”⇒“雨”⇒“空”の構造で、“傘”(行動、決まったこと(傘を持っていく))を先に書き、その根拠となる“雨”(ファクトに対する解釈(雨が降りそうだ))、“空”(ファクト(空が曇っている))についてインデントを下げて記載をする、という作り方である。発言だけでなく我々の解釈も含めて残すことで、齟齬があれば、議事メモ共有時に修正をいただき、会議後にもその内容について認識合わせができる構造になっている。
上記のように、各組織によって議事メモの作り方は全く違うということもMAVISに入ってからの気づきの1つである。(実際に、MAVISに入ってから、前職時代の同期に、「議事メモ一つをとっても勉強になる」、という話をしたら驚かれた。)
また、議事メモは作るだけでは意味がなく、有効に活用していくことが必要である。(とりあえず作っておく、という方も多いのではないだろうか。)備忘録としての機能はもちろんあるが、どのような使い方が望ましいか、下記付記したい。

議事メモを有効に活用する

なぜ、MAVISはこのような議事メモの作り方をしているのか。
コンサルはあくまで依頼されている立場であり、実務担当者ではないため、ただただ発言を記録し、決定事項だけを記していては、発言の背景にある解釈まで認識を合わせることはできない。プロジェクト進行の上では、クライアントと解釈まで認識を揃えて進めていかないと、少しのズレがのちのち大きな溝となり、クライアントが真に求める結果を出せない可能性がある。(「あれ、そういうつもりで言ったんじゃないんだけどな」、という経験は皆さんもあるのではないだろうか。)
そのため、議事メモについては、会議後、我々とクライアントの互いの記憶が新しい間(翌日には送付できるようにしたい)に共有し、確認してもらう。解釈も含め齟齬があれば指摘をいただき、次の会議でも前回の振り返りに用いる。そうすることで、現状と、何故そうすべきなのかという双方の解釈を含めた今後のアクションを明確にすることができる。
議事メモは、単なる記録としてないがしろにするにはもったいない。物事(プロジェクト)を着実に進めていく上で非常に重要な機能を持っており、コンサルにとってはクライアントとの意思疎通を円滑に図るための一助となるため、より分かりやすく重要なポイントが分かるような議事メモ作成ができるよう心掛けたい。

MAVIS PARTNERS アナリスト 神尾唯

Contact

お気軽にお問い合わせください

お問い合わせフォーム