4.プリンシパル

印刷

知見を後世に残したいのだが

2022-11-25

知見を後世に残したいのだが

M&A周りの知見は結構ある

弊社MAVISは、M&Aを基軸としたコンサルティングが得意な会社だ。“基軸とした”という言い方をしているには理由がある。「M&Aコンサル」というと、仲介会社とかFA会社をイメージされてしまうからだ。残念ながら、MAVISは仲介もFAもやっていない。どうしても依頼されれば、FA的な立ち振舞をすることもあるが、本業ではないと思っている。
本業は、あくまでコンサルティング。クライアントのお困り事を解決する仕事。特に、M&A周りで発生する問題解決が得意だ。M&Aであれば、上流工程の戦略策定の部分から、中流工程のディール、そして、下流工程のポストPMIまで対応できる。小さい会社の割には、あらゆる大手企業からご依頼されてプロジェクトを遂行してきたので、知見もだいぶあると自負している。

月に2-3社は新しい企業のM&A担当の方とお話するように心がけているが、お困りごとがある会社であれば、その内容も似たものが多い。粒度感はあれども、テーマとして整理すれば、20個ぐらいにはまとまるのではないか。そして、大体どのテーマも過去経験したことがあるので、何かしら聞かれれば、「あ、それはこう考えればいいですよ」とか、「その注意点はこうですね」とか、お伝えしたいことはそれなりにある。だからといって、先方の社内事情もあるし、弊社の場合、歴史も浅く、会社が小さいので、大手企業としては使いにくい場合もあるのは事実で、弊社のクライアントにすぐになるわけではない。が、MAVISが役立てそうだなと思うことは多い。

知見を伝えることの限界

知見というものは、具体的すぎると汎用性が無く、ただの知識になってしまう。知見というものは、そういう意味で、「当たり前なこと」が多いと思う。言われれば当たり前だけども、なかなかその見方をしてこなかった。そういう代物が“知見”というものじゃないかと思っている。なので、知見を聞いたり知ったりしたところで、すぐに実務で役立ち、効果が出るかというとそうでもない。そういった知見をベースに、検討し直したり、考え直したり、反芻させることで、初めて効力を持つ。(それを理解していない、コンサルに丸投げするような“痛いクライアント”だと、「コンサルなら、どうすればいいか分かるんでしょ?次回までにやってきてよ」という言い方をしてくるのだが、そういう匂いがしたら、早々に関わらないようにしている)

一方で、弊社は小さい会社ということもあり、蓄積してきた知見を活かせるクライアントの数にも限界がある。今の規模だと、同時期に3-4件のPJがあればお腹いっぱい。稼働がパツパツ過ぎる状態だ。かと言って、大手ファームのように規模拡大する気はなく、小さい組織ながらの、Passion & Commitmentを重視しているので、サービス提供できるクライアント数の限界というのは恒常的に発生する。なので、うちが持っている知見が役立つ会社は、本当はもっとあるのになぁ、なんてよく思ってしまう。

伝える手段を思案中

そう考えると、今、うちは知見を持て余しているのかもしれない。コンサルティングというやり方で、クライアントに知見をインストールすることに限界があるならば、違う手段で、困っている会社に知見を伝えられる方法はないか。もちろん、法人研修という伝え方も、求められればやっているが、それでも波及力に限界はある。そして、研修という媒体だと、時間も限られているという理由もあり、コンサルティングと比較して、知見の伝わり方も浅くなってしまう。もっと気軽に、いつでも知見に触れられる場があればいいのだけども。

1つ考えられる方法として書籍はあるだろう。前職で執筆した『ポストM&A成功44の鉄則』は、それなりに評価いただいた。なるべく平易に書いたものの、素人よりも玄人受けしたようで、M&A経験が豊富な方や、コンサルの同業者から、参考になったという声を結構な数頂いた。(逆に、あまり経験がない方からは、「具体的にどうすればいいか載っていない」という声があったようだが)
これも知見を伝えることの1つの手段であることには違いない。ただ、本を書くというのは結構骨が折れるので、時間が無いと、簡単に出来ることではない。少なくとも私の場合は。(と言いつつ、来年新著が出ます。鋭意、執筆中!)

もう1つ考えられる方法は、動画だろうか。細切れに弊社の知見を紹介する動画があって、それをどこかしらに、ストックしていけば、それを見て参考にしてくれる人もいるだろうか…。なんて考えている今日この頃。どなたか良いアイデアがあったら、教えてくださいませ。
とにかく、コンサルティングという経験で蓄積された知見は、そのままにしてしまうと勿体ないのは自明。自分たちの頭や手に記憶が残っているうちに、世の中に役立つ形で残していきたいと思っています。

MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴

Contact

お気軽にお問い合わせください

お問い合わせフォーム