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引継ぎできていますか?

2024-03-22

引継ぎできていますか?

春=異動=引継ぎの季節

ようやく風も温かくなり、春を感じる日が多く、朝の犬の散歩が気持ちがよい季節となった。(沖縄では春を通りこして夏を感じる日もしばしば出てきているころである。。)もうすぐ年度が明けることもあり、毎年恒例、各所から異動の話を聞くことも多いが、皆さま業務の引継ぎは円滑に進んでいるだろうか。
MAVISはご存じのとおり異動というものがないため、長い休み等がない限り、大きな引継ぎは発生しないのだが、前職では年に1度、4月に異動になっていたため、春になると毎年「引継ぎ書を作らねば…」と、憂鬱な気持ちになっていたものだ。
引継ぎの文化は各組織や部門によっても異なるはずであるが、引継ぎの厄介なところは、引継ぎ準備をしている間も日々の業務が軽くなるわけではないので、純粋に工数がプラスされることである。(しかも前職の場合は内々示すら4月ギリギリにあったことから、事前準備もできなかった。)
個人的な統計(前職・行政内)では、この面倒くささから、引継ぎをないがしろにする人がとても多かったように思う。4月1日に異動先に行ったら、大量の書類が机の上に乗っかっていて、捨ててよいものかすら、区別がつかなかったこともある。

引継ぎの怠慢は組織としての損失

引継ぎを怠ることで発生してしまう組織としてのリスクは大きい。まずは単純にキャッチアップに必要以上に工数を要することで組織として生産性が落ちる。(これは、後任者だけでなく、必要以上の業務の問い合わせを受ける立場になってしまう前任者にも言えることである。)
加えて、キャッチアップに時間がかかることで、外部からも「この人、大丈夫かな…」という第一印象を与えてしまうことで、信頼性の低下を招きかねない。これは組織にとって非常に大きなリスクとも言え、個人としても大きな損失になる。
私が過去に引継ぎの重要性を感じた点で言えば、各省庁のメンバーが集まった会議で、ある重要な議題に関して誰も何も知らず、「これから検討していきましょう・・・・」的な形で終わった回があったのだが、「こんなに重要なこと、過去に検討していないはずがない」と思い、過去資料を遡ると、全く同じテーマで検討されている回が過去に存在したことである。※各省庁異動が多いため、会議メンバーのほとんどが新メンバーのようなこともしばしばある。
複数組織に亘ってそのような実態があることに憂いたが、それ以降、私は、自分が担当していた業務分は、自分がまだいなかった過去分の資料も全て遡り、ファイル整理からラベル付け、PCのフォルダ整理まで全て行ってから部署を去るようになった(最終日はシュレッダーとデスクの往復になるのだが。。)

なぜうまくいかない?

とはいえ前職には4年ほど勤めていたが、皆忙しい中で、我ながら、自分ほど引継ぎに“懸けていた”人間を見たことがなかった。
引継ぎマニュアルなるものが作成されたこともあるようだったが、個人的にはそんなものを作ったところで全く意味がないと思っている(それを見る暇があれば、手を動かした方が早い。)。引継ぎが上手く機能しない理由として、そもそも内示が遅すぎる(=準備時間が少ない)ことだったり、役職が初日にスイッチしてしまうこと(=前任者と後任者が一緒に行動する期間がない)などが挙げられ、仕組み側に問題が存在するということもあると考えている。必要に応じて根本の原因を除去するということも、組織としては検討しておく必要がある。
と、こんな話をしたところだが、私も4月末をもって一時休職に入ることになり、休職前最後のコラム執筆であったため、引継ぎについて昔話を書かせていただいた。幸い、MAVISは上記の通り大きな引継ぎが発生するような組織ではないが、引き継ぐメンバーが混乱しないよう、必要な情報は整理した上で休職に入りたい。

MAVIS PARTNERS アナリスト 神尾唯

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