2.アソシエイト

印刷

世の中は無責任発言だらけ、仕事ではロジックに潔癖に

2023-03-03

世の中は無責任発言だらけ、仕事ではロジックに潔癖に

世の中にはびこる無責任な情報発信

Twitterをみていると、特にフォローしているわけでもないのに、Yahooニュースのようなニュースサイトが表示されるので、目に止まった記事は読むことがある。最近だと、「未婚の男女に調査 今モテるのは、とにかく「平均」で「安定・普通」 外見→無難 内面→誠実で優しい」という記事を読んだ。別に内容に興味があった訳では無いが、こういった「今の若者は~」的な記事が個人的に嫌いなので、逆にどんなことが書かれているのか気になって読んでしまった。
内容は、案の定謎のアンケート調査結果と、ロジックのよくわからない示唆で埋め尽くされていて、本当に適当なこと書いているな~という印象だった。こういう質の低い分析結果を記事にする意図がよくわかっていないが、調査をしているのが恋愛マッチングアプリを運営する会社なので、広告としての意味合いが強いのかと思う。
この他にも、特にそこまで強い根拠があるわけでも無いのに、インパクトの強いメッセージを出しているネット記事やまとめサイトは多い。理由は、より強いメッセージを出したほうが閲覧してもらえて、記事を書いた人は、特に自分の発言に責任を負う必要がないからだと思うが、日々こういうメディアに触れていると、無意識に自分も無責任な発言をしてしまうのかもと、最近思った。

コンサルは自分の発言に責任を持たないといけない

コンサルが出す示唆は、しっかりとしたファクトとロジックで裏付けられたもので、責任を持てるものであることが基本だと思っている。クライアントからフィーをいただき、その対価として示唆=成果を提供しているわけなので、無責任な発言はできない。だから、我々も日々の仕事の中で、ちゃんとロジカルに説明できるか?ファクトは不足していないか?など、クライアントに出す成果物は、丁寧に精査している。
話は少し変わるが、MAVISのインターン採用では、想定クライアント向けの資料を作成するという課題を課している。課題に取り組むのは、基本的に大学生なので、上記のようなコンサルとしてのあるべきマインドを持って資料を作成している人ばかりでないのは分かるが、それにしても「これは流石に無責任すぎるだろ」と思う書きぶりが目立つ資料も多々ある。
「貴社は〇〇すれば、必ず△△となって成功します」。課題の内容と関連するので、詳しくは書けないが、このようなことを書いているインターン応募者の成果物があった。まず「必ず」とか「絶対」とか、そういう言葉を使う時点で、インパクト重視で無責任な発言だと感じてしまう。まだ「必ず」と言いたくなるほどの、固いファクトやロジックがあるのであれば分かるが、その資料の中ではほとんど理由が説明されていなかった。
この応募者のバックグラウンドは分からないが、インパクト重視のネット記事かなんかで感覚が麻痺していないか心配になった(もちろんそうでは無いかもしれないが)。

ロジックに潔癖に

上でインターン応募者のことを非難するようなことを書いたが、実は自戒の念も込めている。
ふと思うと、何か分析をして、クライアント向けの資料を準備しているときに、「ここからどんな示唆が言えるだろうか。なるべくクライアントの次のアクションに繋がるような、面白い示唆を出したいな」と考えて、悪気なく行き過ぎた示唆を出してしまうことがこれまであった。結局、内部でもんでいるなかで、「この示唆は言い過ぎ。ロジカルじゃない」と気付かされて、修正するのだが、こういった気の緩みは非常に危ないなと感じている。
上述のネット記事のような、よくわからない他者が書いたことだと、「ファクトはあるのか?」とか「ロジックは破綻していないか?」とか、厳しい目で見るのに、納期が迫っていたりすると、自分の成果物に対して甘くなってしまいそうな瞬間がある。
コンサルは発言に責任を持たないといけないと上で書いたが、それを実践するために、常にロジックに潔癖、つまり常にロジカルかどうかを気にするというマインドを持たないといけないと改めて思った(あんまり人との会話でやり過ぎると嫌われそうだが。。)。

MAVIS PARTNERS アソシエイト 井田倫宏

Contact

お気軽にお問い合わせください

お問い合わせフォーム