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意外とできていない単語の使い分け

2022-08-26

意外とできていない単語の使い分け

単語を曖昧に、使いやすいように使いがち

MAVISに入ってから、単語一つ一つの使い方を意識するようになった。前職でも法律や答弁を扱うことはあったので、言葉の言い回しには気を付けるようにしていたが、いかに自分目線で自分が使いやすいように曖昧に単語を使ってきたかを指摘を受けるたびに痛感させられる。似たような単語でも、明確に使い分けがされているものも多くあり、この使い分けを意識していないと混同してしまうことがしばしばある。(下記に一例をご紹介)
先日、弊社が行うファシリテーション研修の実践編のため、参加者の皆様から事前に会議設計シートをいただき添削を行った。添削をする中で、同じ単語を使用しているものの、使用している意味が個人によって異なる事例が散見されたので、私だけでなく、あえて指摘をされないとなかなか気づけない点なのだろうなと思う。(と思うと、前職まで指摘されていなかったのは、それまでの上司も意識をしていなかったとも推察できる。)
会議設計にとどまらず、論理的に考えていくためには順序があり、単語を間違えると、各個人で認識がずれ、議論の弊害となることから、単語の理解と選定は非常に重要だと添削を通して強く感じたところだ。

「課題」と「問題」の違い

恥ずかしながら、私が指摘を受けた単語の事例をご紹介する。『課題』と『問題』の違いについて、皆様は明確に使い分けができ、説明できるだろうか。
『課題』を用いる場面で、『問題』という単語が用いられている事例は多く、皆様も気づかれたこともあるかと思う。私も、指摘をされるまでは特段分けを意識せずに使ってしまっていた。『問題』は現状とあるべき姿のギャップであり、『課題』は問題を解決するための取り組みのことである。例えば、受験に合格するための『課題』として「部活が忙しくて勉強をする時間がないこと」が挙げられたとする。これは「理想は勉強をする時間が欲しい」、という思いからのギャップであり、『問題』である。的を射ていないことになる。この場合の『課題』の一例として挙げられるのは、『問題』を受けて、「毎日の通学時間を勉強に活用する」という取り組みになる。『問題』→『課題』の順序で考えることが必要であるため、議論する際に、まず『課題』を出しましょう、というのは全く本質的でないことがお分かりいただけるかと思う。

困ったときは文明の力で

このほか、『要因』と『原因』の違いや、『要件』と『条件』の違いなど、例を出していくと多々出てくるが、今は便利なもので、疑問を持った単語同士の違いは、大体誰かがネットで記事を上げてくれているので、気になったものは随時調べるようにしている。(この点からも、社会人の皆様が単語選定に苦慮されていることが分かる。)ただ、中には読んだだけではピンとこないものもあるので、自分の中での納得感は実践の中で生み出していくしかないと思っている。指摘してくださる方がいてこそなので、環境に感謝をし、一つ一つ身に付けていきたい。
コンサル会社は各PJの最終成果物が報告書となり、文章や図で意図を伝えることになるので、単語が変われば言わんとしている内容が変わりえることに気を付けなければならず、こうした事情から、事業会社の皆様よりも神経質に単語を扱わなければならないのだと感じている。一方で、クライアントに言わんとしている内容を理解していただくためには、クライアント側でも単語の定義について理解いただく必要があるとも考えていて、PJの中、または上記のような研修の中で、可能な限り丁寧に意図を説明していく、そのスキルも併せて身に付けていきたいと思う。

MAVIS PARTNERS アナリスト 神尾唯

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