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余裕という“遊び”が大事

2022-05-27

余裕という“遊び”が大事

免震構造

周りの人にあまり知られてないし、言ってもいないが、不動産の物件を眺めるのが好きだ。別に詳しいわけではないが、物件の場所や、部屋の間取り、共用施設、物件の構造なんかを見て、自分が買うとしたら、いくらかなと想像しつつ、売出し価格と比較して、へーと思ったりする。父親が不動産業だったせいもあるのか、大人になってから、不動産に興味が湧くようになった。色々な物件を見ながら、こういう不動産の知識を一応勉強していたんだなとか想像することで、父親の人生を追体験しているのかもしれない。
話してもこれまでに共感されたことはほとんど無いのだが、私が不動産で好きな構造が、免震だ。建物と基礎部分の間に、積層ゴムという部材を差し込んで、いざ地震が来たときに、それが緩衝的な役割を果たして、揺れが激しくても、建物はゆっくり動くだけで済むというもの。地震の被害を抑えられる優れた構造だ。今どきの高い建物なら、大体免震構造だろう。揺れ方が目眩のようで気持ち悪いという人もいるが、免震構造というものを初めて知ったとき、なるほどなぁと思った。地震で建物が動かないようにするのではなく、敢えて建物をじっくり揺らすようにすることで、被害を最小限にしようというのは、天才的だなと思った。

カチカチっとしているのが最善ではない

免震というのは、要は、動きの“遊び”があるということと理解すると、しっくりくる。なんでもカチっとしていると、いざ何かあったときに壊れてしまう。少しぐらいゆとりを持てないとだめ、ということだろう。それは物理的な意味だけではなく、概念的なものも然り。例えば、実行計画をきちっと作りすぎても、何か予期せぬことが起きたときには、修正が効かなくなる。ちょっとバッファとか、必須じゃないものが混濁していた方が計画は柔軟に変えやすいという面もある。また、精神的なものも同様で、100%白黒つけた状態だと、可変性がない。少しぐらいグレーな部分を持っている状態、言い換えれば、清濁併せ呑んでおく方が、そのときの状況で、心の持ちようも変えられる。更に言い換えれば、真面目過ぎると、心が折れてしまいやすくなるということかもしれない。
そう考えると、いかにやりたいことを継続して頑張れるかというのは、辛くても折れないように“遊び”を持てるか次第な気がする。遊びがメインになってしまうと本末転倒だが、何事も余裕を少し持っておくべし、ということだろう。時間的にもそうだし、精神的にも。

余裕を持とうとする心構え

そんなこと言ったって、日々がめまぐるしく過ぎて、スケジュールだって詰め詰めだよ、というビジネスパーソンもいるかもしれないが、ちょっとした隙間時間で休憩してみるとか、気分転換してみるとか、無理にでも余裕を持つ努力をしてみると良いと思う。振り返ると、自分もそんな工夫をしていたなと思う。やることがあり過ぎて発狂しそうになると、とりあえず好きなコーヒーを飲んでぼーっとしてみるとか。お気に入りの漫才ネタをYouTubeで10分だけ見て笑ってみるとか。嘘でも「こんなの余裕だぜ!」と言い切ってみるとか。究極時間がないときには、「これで失敗しても、死ぬわけじゃないし、家族がいなくなるわけでもない、またやり直せる」と開き直るとか。
それに、なんかとても不快な事象があったり、他人から何か言われて傷つきそうになったときは、真に受けないこと。適当に流してればいい。他人に自分の人生左右されるのも馬鹿らしいし、結局、“人生は思い出作り”だと思っているので、良いことも悪いことも、死ぬ間際に思い出して笑って話せる内容になればいいや、そんな風に思っていると気が楽なのです。

MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴

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