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ロジカルであること、その意味

2021-06-11

物事はロジック以外で決まりがち

日々クライアントと接していると、「こうすればいいのにな」とか、「なんでまた同じことを繰り返しているんだろう…」とか、思ってしまうことがある。そこには、ロジックとして何が正しいか分かっていないというわけではなく、ロジックとは違う力が働いているように感じる。クライアントからも、「いや、分かってはいるんですけどね」という反応も少なくはない。
過去、色々なコンサルタントと働いてきたが、コンサルタントのロジックに対するモノの見方も様々だ。人によっては、政治・感情・論理と、この3つのバランスが大事だと言う人もいたし、それらソフト面も含めてロジカルに考えるべきだという人もいた。ロジカルであるかどうかは、突き詰めると、話の筋が通っているか否かだと思う。ただ難しいのが、筋はいかようにも通せてしまうところだ。ぶつかる人同士、その人の事情や状況に応じて、それぞれの“正義”があるように、筋はいくらでも存在する。そう思うと、ロジカルであることに何の意味があるのだろうと、ロジカルをウリにするコンサル業の意義を問いたくなるが、ロジックを使う目的もいくつかあると考えている。

ロジックを使う目的

1つ目が、最も妥当であろう解を導くためだ。論理的に考えることで、最もベターな解を導出することができる。ベストかは分からない。ただ、色々な切り口で論理的に検討することで、ベターか否かは判断がつく。ベターであることを繰り返し考えて、ベストに近づける。ロジカルで考えるというのは、そういうイメージだ。ロジカルでなければ、関係者が好き勝手に物を言って、結局は声の大きい人の鶴の一声で物事が決まってしまうだろう。それに歯止めをかける効果がある。
2つ目が、関係者を巻き込みレバレッジをかけるためだ。自分一人で実行して、自分にしか影響しないようなことならば、ロジカルである必要がない。勝手に思った通り、感じた通り、動いてみればいい。失敗すれば、やり直せばいい。ただ、他人が絡むなら、そんな身勝手なやり方ではダメだろう。関係者が納得して、やる気になるような話の筋が必要だ。話の筋を人に聞かせるために、ストーリーをつくる。どうしてそれをしなければならないのか、やる意味があるのか。きちんと伝える必要がある。
3つ目が、反対意見を打ち返すためだ。自分の考えたことを何とか通したい場合、それに対する反論を想定し、理論武装する。“理論武装”という言葉通り、ロジックで身を守るということだ。大事なプレゼンテーション前なら、必ず誰しも無自覚的にでもやっていることだろう。こういう質問が来たら、どう返そうか。ここを突っ込まれたらどう答えようか。その一連の準備にもロジックが必要だ。

究極的にはロジックは不要?!

ここまで書くと、日々の生活・仕事において、ロジックは必須だと思うかも知れないが、ロジック不要の職業もあるようだ。昔、コンサルタントの先輩から、「我々コンサルの究極の姿は占い師なんだよ」と聞かされた。当時、私はアナリストで、リサーチと分析、そこからロジカルに何が言えるかばかり考えていたので、その時は何を言っているのか意味があまり分からなかったが、今は何となく分かる。
占い師は、もちろん統計的に色々な情報を根拠にしている方々もいるとは思うが、決して、因果関係を基に将来を言い当てるのではないし、占ってもらう方も、それを期待しているわけではない。自分の未来に見えたものを伝えて欲しいだけであって、そこにロジカルな根拠を求めていない。むしろもっと神秘的な力を期待しているだろう。占いに行くような人なら、占い師が言うことには耳を傾けるだろうし、「XXに気をつけなさい」と言えば素直に従う。そこにロジックは無縁に近いのではないか。
昔、路上の占い師に、同僚から薦められて占ってもらったが、その占い結果の根拠を問うと、「理由はナシ!お金も返さない!占いを聞いたらさっさと帰って!」と怒られてしまった。我々コンサルの仕事もそんな境地になれたらなぁと思うこともあるが、「ズバリ、今すぐX社を買収しなさい!理由は言わない!」なんて商売もできるわけがないので、これからもロジックを地道に詰めていくしかない。

MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴

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