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「厄介者」になりたい

2024-01-05

「厄介者」になりたい

雪の無い冬の新潟

年末年始、実家のある新潟県に帰省した。
私の実家があるのは、新潟県の中でも比較的雪が多く降るエリアで、この時期に帰ると家の前の雪かきをしたり、吹雪の中初詣に行ったりするのが恒例なのだが、今年は少し残雪がある程度で、雪はほとんど積もっていなかった(滞在期間中に雪が降ることも無かった)。
少し拍子抜けしたものの、「まあ楽だし過ごしやすい気候だから良いか」と思ったが、雪の無い冬の新潟というのは少し寂しい感じがしてしまう。こんなことを、新潟に在住している家族や知人に伝えると、「普段天気の良い東京に住んでいる人は呑気で良いね」と嫌味を言われてしまうのだが。。
こういう、「厄介なんだけど、無いと寂しい・物足りない」という感覚は、実はコンサルとして仕事をする上でも意識しないといけないのでは!?とコタツに入りながら思ったので、そのとき考えていたことを少し書き下してみた。

良い意味で「厄介」な人

コンサル6年目になって、これまで様々な人と一緒に仕事をしてきたが、時間が経っても顔が思い浮かんだり、名前が出てきたりする人、また一緒に仕事をしてみたいなと思う人は、皆さんどこか周囲から「厄介だな」と思われていたように感じる。
仕事をする相手として「厄介」と書くと、仕事の足を引っ張ったり、ハラスメントまがいの行動をしたりするようなネガティブな印象が先に来るかもしれないが、私がここで書いた「厄介」には、もっとポジティブな意味合いを包含している。
例えば、いつも管理職のKKD(勘と経験と度胸)で物事を決めているような組織の中で、データから論理的に導かれた結論を求める人がいたら、その人は「厄介」と思われるだろう。実際に、これまでご一緒させていただいたクライアントの社内でも、こういった状況が起こっていたことはある。こういう「厄介」な人は、周りの人間からしてみれば一見「面倒くさいなあ」と感じるかもしれないが、長い目で見れば、他メンバーの意識の変化だったり、社内風土の変革だったりの起点という意味で、非常にポジティブな存在といえる(自分の過去の体験としては、意識の変化はあっても、社内風土の変革まで行くのはかなり至難の業と感じてはいるが・・・)。
他にも、上司に忖度してモノを言わない組織の中で、なんでもストレートに正論を言う人や、井戸端会議ばかりで議論が進まない組織の中で、会議の目的や論点を明確にせよと求める人なんかも、良い意味で「厄介」な人だと思う。

自分は「厄介者」になれているのか

ふと自分に矢印を向けてみると、まだまだ「厄介」な人にはなり切れていない気がする。「共創型」を志向するMAVISの特性上、クライアントの方々と一緒に議論して進めていく仕事が多いが、クライアント側に遠慮せずズバズバ意見を言って「井田さんに言ってもらってよかった」と思ってもらえたときもあるが、なんとなくクライアント側の意向に合わせて無難な方向に流れてしまったなと感じたことも正直に言うとある。
後者の場合でも、一応物事は前に進むので、付加価値がゼロということも無いだろうが、クライントからしたときにそんなコンサルにもう一度頼みたいと思うのだろうか。社内の人間ではない第三者を入れるからこそ聞ける「耳の痛い言葉」が無いと物足りなさを感じる人も多いのではないだろうか。
外部の人間であるコンサルタントだからこそ、自分の軸を持って、自分が正しいと思うやり方で、自分が正しいと思うことを言える「厄介」な人にならないと、この先必要とされる人間にはなれない。今一度自分の仕事に対する姿勢を見直して、本当に価値のあるコンサルタントにならなければと感じた年末年始だった。

MAVIS PARTNERS アソシエイト 井田倫宏

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