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トークサバイバーとコンサルタント

2023-11-03

トークサバイバーとコンサルタント

トークサバイバーが面白い

最近、Netflixの『トークサバイバー』という番組を観た。芸人さんがたくさん出演しているのだが、ドラマ仕立てに物語が進み、合間合間で、芸人さんの“おもしろトーク”が展開される。例えば、「しょうもない話」というテーマだったら、芸人さんが一人ずつ、“しょうもない話”を披露する。話す順番は決まっていないようで、誰がどのタイミングで話し始めるかは自由。ある芸人さんは、1テーマで5トークぐらいすることもあるし、1トークで終わってしまう芸人さんもいる。1話あたり、3テーマぐらいの構成だ。そして、残酷なことに、1話ずつ“脱落者”が出る。元々8人ぐらいいた出演者が、どんどん去っていく。どういうジャッジがされているのかは分からないが、相対的に面白さに欠けていた人が切られているようだ。

お笑い番組であるものの、このしのぎを削る感じが見ていてドキドキするし、好きな芸人さんのトークがあまりウケなかったときには、ちょっとがっかりする。また、前のトークの内容に被せる形で新たなトークを展開する術には感嘆するし、情景描写が巧みだったり、「続きが聞きたい!」と思わされたりする。さすがTVの売れっ子芸人だけあって、全員トークがお上手なのだ。「えーこんなテーマで話を振られたら、自分だったら何を話そう?」なんて想像してみると、とてもじゃないが、怖くてたまらない。プロの方々はすごい。

そんな面白さを持った当番組は、シーズン2でいったんエンディングを迎えたように見えた(もしかしたら、シーズン3があるかもしれないし、個人的にはあって欲しい)。そんな『トークサバイバー』のシーズン2のエンドロールで、「ルール7」というものが明らかになるのだが、自分には思わずメモするぐらいに響いてしまった。

(以下、ネタバレを含むので、ご注意)

  • ルール1:辛いことこそ笑いにしなければならない
  • ルール2:恥ずかしいことでもさらさなければならない
  • ルール3:自信がなくても踏み出さなければならない
  • ルール4:ウケなくても笑いに変えなければならない
  • ルール5:どんなに疲れていてもひねり出さなければならない
  • ルール6:笑わせることが何よりも好きでなければならない
  • ルール7:トークサバイバーから逃げてはいけない

言葉が違うだけでほとんど同じ?!

このルール7を見て、「おぉ」と夜中に一人で声を上げてしまった。少し言葉を入れ替えれば、コンサルタントの仕事にも当てはまるルールなのだ。私の解釈を含めて、トークサバイバーのルール7をもじってみよう。

ルール1:辛いことこそ笑いにしなければならない

悩ましいことこそ価値にしなければならない

クライアントが困っていることは、大抵難しいことだ。簡単なことならば、外部のクライアントに高いフィーを払って依頼するはずがない。つまり、悩ましいなと思えることこそ、価値にしなければ、コンサルタントとは言えない。途方に暮れるような難題にこそ向き合って、初めて価値が出ると思いたい。

ルール2:恥ずかしいことでもさらさなければならない

分からないことでもやらなければならない

コンサルタントは、知らないことが多すぎる。クライアントに比べて、実務経験も少なければ、現場知識もない。新しい業界を経験するたびに、分からないことが溢れる。でも、それを前提として割り切り、「知らないこと」を恐れず、ロジックとファクトで価値を出していかねばならない。

ルール3:自信がなくても踏み出さなければならない

自信がなくても発言しなければならない

発言するとき、100%の自信がある場合は稀だ。「自分の言うことはおかしくないだろうか」、「実現性に欠けないか」、「既にクライアントも考えていることではないか」、なんてことが頭を常によぎる。でも、発言しなければ、衝突も生まれないし、無になってしまう。だから、発言は最低限のマナーだ。

ルール4:ウケなくても笑いに変えなければならない

刺さらなくても価値に変えなければならない

一生懸命準備したものでも、いざクライアントに提供すると、反応が良くない場合もある。クライアントにとって、コンサルタントがいくら時間をかけていようが関係ない。刺さらないものは刺さらない。ただ、コンサルタントは0点で引き下がるのではなく、負けても1点取ってくる粘りの議論が必要だ。

ルール5:どんなに疲れていてもひねり出さなければならない

どんなに疲れていてもアウトプットしなければならない

朝から晩まで、会議が続くと、頭がぼーっとしてくる。明らかに脳が疲労しているのだ。それでも、次の日のためにコンサルタントは思考をめぐらさないといけない。「とりあえず資料を読んでおこう」なんて甘さは許されない。1枚でも多く、紙を書く。アウトプットしてなんぼの商売ということを忘れない。

ルール6:笑わせることが何よりも好きでなければならない

貢献することが何よりも好きでなければならない

何のためにがんばるか。結局は、今の仕事が好きだからに尽きる。目の前のクライアントに役に立ち、喜んでくれたら、それが最良の幸せだと思えるか。向上心でコンサルをやっても長くは続かない。健全な承認欲求と飽くなき貢献欲の塊じゃないと、この仕事は続かない。

ルール7:トークサバイバーから逃げてはいけない

プロジェクトから逃げてはいけない

明日の会議が上手くいかないかもしれない。どんなに考えても糸口が見つからないままかもしれない。クライアントにがっかりされるかもしれない。もう考えることに疲れた。そんなネガティブ思考になることは日常茶飯事。それでも自分たちを頼ってくれたクライアントの顔を思い出し、決して逃げない。

コンサルのルール7(MAVIS版)

まとめてみよう。

  • ルール1:悩ましいことこそ価値にしなければならない
  • ルール2:分からないことでもやらなければならない
  • ルール3:自信がなくても発言しなければならない
  • ルール4:刺さらなくても価値に変えなければならない
  • ルール5:どんなに疲れていてもアウトプットしなければならない
  • ルール6:貢献することが何よりも好きでなければならない
  • ルール7:プロジェクトから逃げてはいけない

俯瞰してみると、やはり似ている。コンサルタントの個性や強みが「芸風」と表現されることがあるように、お笑い芸人とコンサルタントは、根本的な仕事に対する考え方が似ているのかもしれない。特に、「会社の看板よりも自分の名前で勝負できるように」がポリシーのMAVISの場合、最後はピンで生きていけるようになることが各人のキャリア目標の1つなので、余計に芸人っぽさにシンクロするのだろう。

MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴

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