4.プリンシパル

印刷

一流はゼロイチマインドを持っている

2022-12-23

一流はゼロイチマインドを持っている

ゼロイチは尊い

どのような分野でも批評家・批判家はいるものだけれども、実体験をベースにした人たちは少ないように思う。さすがに、同様の、或いは、類似の経験をした人からのご提言であれば、耳を貸さざるを得ないが、自分でやったこともないのに、あーだこーだ言う方々。出来上がったモノをベースにツベコベいう方々も同様。私はあまり好かない。荒くてもいいから、まずはゼロイチをやってみた人。叩かれる覚悟で、モノを出してくる人が良い。全ては、ゼロイチから物事は始まるのだから、ゼロイチをする人は尊いのだ。
ゼロイチが得意なタイプと、イチをジュウにするのが得意なタイプがいる。そんなことが言われたりするが、本当か。イチをジュウにする方が楽に決まってると私は思う。「ゼロイチが得意」というのは、周りでそれをやる人がいないから、ちょっとできたら“得意”に思える、思われるだけであって、そういう人も、本気でイチをジュウにさせたら、それもできてしまうのだと私は思っている。
もちろん、ゼロイチも程度はある。完全に新しいものを創るというゼロイチは稀で、ゼロイチといっても、過去に似たものがあったり、既存の組み合わせだったりする場合が多い気がするが、それでも、ゼロイチに励む人は、私は尊いと思う。その土台が無いと、次に発展することは絶対ないからだ。

コンサルの仕事でもゼロイチはある

そのようなことを言うと、「コンサルの仕事ってゼロイチじゃないのでは?」と言われそうだが、確かにゼロイチをしなくても、イチをジュウにできれば、仕事として成り立つ側面はある。ただ、それだけとも限らない。課題に対して、どう考えればいいのか、何を切り口に考えればいいのか、まったく引っかかりが無いときは、イチをジュウにというよりゼロイチに感覚は近い。実はそういったときに、コンサルタントの真価が試されると思う。
二流三流なコンサルタントは、物事を整理だけして、分析だけして、「結果こうですが、どうしましょう?」という姿勢。あくまで、創造領域はクライアントマターであって、方針を決めてくださいという受け身。一方、一流なコンサルタントは、“はみ出す勇気”を持っている。客観的に詰められる部分まではしっかりロジカルに検討するが、ここからどちらに進もうかというときに、スタンスを取る。そこには客観性だけではなく、実は主観が入っている。厳密に言うならば、客観性を帯びた主観が存在している。別に叩かれてもいい、それを糧にして、イチをジュウにしていけばいい。そういう割り切りがあるのだ。それがないと、次に進まないから。
こういったとき、コンサルという職業であっても、ゼロイチの感覚は確かにある。やんや言われる覚悟で、先に進んでみる。安全地帯から一歩二歩と、はみ出してみる。そういう勇気が必要になってくる。

小綺麗な資料を作ることが仕事ではないはず

コンサルが“高級文房具”と揶揄されるようになって久しいが、これまで述べたような“ゼロイチマインド”があれば、そうも言われないのではと思う。クライアントの言う事をきれいにまとめる、クライアントでも時間さえかければできる分析を効率よくして整理する、そんな仕事ばかりしていたら、文房具扱いされても文句は言えない。“都合の良い作業屋”として扱われる限りは、その域は脱せないだろう。もちろん、それでクライアントに貢献して喜ばれているならば、それもアリかもしれないが、いわゆる「一流なコンサルタント」とは言いにくい。最後は、個のコンサルタントとしての主観に価値を認めてもらえるのが、コンサル冥利に尽きるのではないか。「この仕事だったら、ある程度できるコンサルなら誰でもいいけれども、こっちの仕事はXさんじゃないと任せられないなぁ」、そんな風に指名されるのが理想かなと思う。なので、自分だったらどう感じるか、どう思うか、どうしたいのか、そういう主観を磨いていく必要がある。「客観的見解が聞きたいのではなく、あなたの見解が聞きたいんです!」と言われてナンボの仕事。どんな場面でもひよらず、いつでもはみ出す精神、ゼロイチマインドを持っておきたいところです。

MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴

Contact

お気軽にお問い合わせください

お問い合わせフォーム