4.プリンシパル
印刷いくつになっても腐らないためには
2023-10-13
将来何になりたいの?
先日の何気ない日。家族で夕飯を食べているとき、4歳の娘から、突然、「パパは将来何になりたいの?」と聞かれた。純粋無垢な眼から繰り出された不意打ちに、思わず言葉が詰まってしまった。子供からしたら、周りの大人からいつも、「~ちゃんは、将来何になりたいのかな?」なんて、自分が聞かれているものだから、深く考えずに聞いてきたのだろうが、今年で40歳になった自分としては、答えに窮してしまった。
人生80年としたら、40歳はちょうど折り返し地点。絶対的時間としては後40年間が残っていることになる。しかし、時間感覚で換算すると、40歳は人生の80%が既に過ぎているらしい。そんな話を聞いたばかりだったので、娘からの「将来何になりたいの?」という問いは想定外で、自分はまだ何者かになれるのだろうか、と真剣にふと考えてしまったのだ。
成長スピードが違いすぎて…
我が家には、7歳の息子と4歳の娘がいる。スマホの写真ボックスを見返すと、ついこないだまでヨタヨタ歩いていた姿があるのに、気づけばこんなに大きくなって、一人でご飯も食べられるようになった。文字も読めなくて、アウアウ言っていたのが、今ではしっかりと本を読んでいる。上の子は一人で電車やバスに乗って、移動できるようになった。なんという成長スピードか。
一方、自分は、この3年でどこまで成長できたのか?なんて考えると、もちろん自分だって成長してきた面はあるとは思うが、子供と比較すると、CAGR(年平均成長率)が低すぎて悲しくなる。なるほどね、理由はともかく、惰性で時間が過ぎると、人生はあっという間に終わってしまうのか。確かに、このままだと、人生の80%が終わっていると言われても納得してしまう。“慣れのドライブ“で人生が進むと、人生の新鮮みは残り僅かだ。
生涯現役?
若い頃はとにかくやりたいことがたくさんあったけど、歳を重ねるごとに、勝手に「無謀だよな」とか、「今からじゃ遅いな」とか、勝手に自己判断して、やりたいと思っていたことを切り捨ててきたように思う。格好良く言えば、取捨選択して、大事なものに集中してきたとも言えるけれども、「必要なもの」だけを選んで、それだけをこなすようでは、偶発的な変化と進化はもう期待できないだろう。効率ばかり追い求めると、キャパが広がらない。
なんかよくわからないけど、好きだから夢中になってしまうものがあって、それを突き詰めた先に、突き抜けた先に、はじめて見える光景も確かにあるはずで、そういうものを感じ続ける人生じゃないと、腐っていくなぁと思わされた。将来何になりたいか。ぼんやりBUCKET LISTを考えていたら、結構まだあるものだ。このまま人生終わってしまうのは勿体ないし、40歳でも50歳でも80歳でも、ニコニコして子供に答えられるような大人になりたいなと思う。
MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴