1.アナリスト
印刷21世紀の働き方 テクノロジーと思考習慣の必要性
2023-03-24
汗を流すべきか読み切る
私は、MAVISのメンバーから「声が大きい」と評判である。コンサルタントは、自分の意見や疑問を社内外でぶつけて、クライアントの課題を解決していく職業だから、声量の大きさは一定の価値は持つと考えられている。実際、腹式呼吸などで、声を大きくする訓練に励む人もいるほどだ。
ただ、それでも尚、素直に喜べないのは、声量の大きさは機械を使えばすぐに手に入るものだと、個人的に感じているからである。通販サイトにて、数千円のマイクの口コミを見ると、「声が小さいと言われていたがよく伝わるようになった」等の投稿がされており、機械を用いることで、声量をある程度は引き上げられるようである。もちろん、マイクの装着負担や不具合発生等の懸念要素もあるものの、飲み会1回分ぐらいの費用で、声量の大きさは買えるとも捉えられる。しかもボイトレ不要である。そのため、声量に課題がある人には、ボイトレではなく、マイク等の機械を買うことを個人的に推奨している。
今回は、声量を取り上げたが、その他の課題も、人力ではなく製品/サービスで効率的に改善できるものは多いように感じている。例えば、SaaSを導入して、業務時間が3割減ったというような事例もある。何かに取り組む際は、「テクノロジーで置き換えられないか?」等、無駄な汗を流さないように、生産性が高い方法を検討するのは大切だと考えている。
相棒を探し続けよう
公私を問わず、新しい製品/サービスにより、生産性が飛躍的に向上することがある。特に仕事に関するツールについては、常にアンテナをはることが求められるように思う。具体的には、声量に悩んでいる人で言えば、マイクを使うことで、声がよく通るようになり、お客さんからの評価が上がって、昇進に繋がるというハッピーストーリーも考え得る。
実際に、私自身も、相棒とも呼べるガジェットに助けられている部分が多分にある。私生活で言えば、昨年ロボット掃除機/食洗器を買ったことで生活が激変した。購入前後で、掃除/食器洗いにかかる時間が10分の1程度に減っている。浮いた時間を仕事に充てることで、仕事にも良い影響が出ている。人力で家事を効率的にしようとどんなに頑張っても、ここまでの時間短縮は難しかったと感じており、非常に良い買い物だったと満足している。(メーカーの回し者ではありません!)
一方、仕事で言えば、最近台頭してきているChatGPTを仕事で如何に活かせるかは、日々検討している。ChatGPTは、ユーザーが入力した質問に対して、AIが答えてくれるチャットサービスである。実際に、調査目的で使ってみたところ、質問の内容によっては、正確で素晴らしい回答もあり、不正確な回答は含まれるものの、一定程度の情報リテラシーがあれば活用余地はあるというのが所感である。
何事もよく考えてから
製品/サービスは、仕事の生産性を上げる可能性があるものの、あくまで解決策の話である点に注意が必要である。会社又は自分に明確な問題がない中で、なんとなく便利そうだからと買ってしまうと、大して手をつけることなく、利用をやめるなんてことにもなりかねない。例えば、声の小ささを挙げれば、とりあえずマイクを買おうとするのではなく、「声が小さいのは本当に問題なのか?」をまず考える必要がある。営業やコンサルタント等の職種であれば、同僚やお客さんと会話する機会が多いから、問題になる確率は高いだろう。一方、プログラマーやライター等の職種であれば、会話自体の機会が少ないから、そこまで問題にならない可能性もある。
そのため、何か買う際は、そもそも自分又は会社にとって何が問題なのかを考えることから始めるべきだと言える。これは、仕事においても同じで、各作業によってどの問題を解決するのか目的意識が曖昧だと、役に立たない成果物が出てきがちである。目的と効率に、十分に考えを巡らせることで、質の高い仕事ができるのだと思う。自分の全ての行動に対して、「そもそも何が問題なのか?」「最先端のツールを使ったりして効率化できないか?」等、自問自答を続けることで、少しでも生産的なビジネスパーソンに近づけたらと思っている。
MAVIS PARTNERS アナリスト 水上尊俊