4.プリンシパル

印刷

付加価値が無ければお金はもらえない

2022-02-28

付加価値が無ければお金はもらえない

いくらお勉強したって付加価値にはならない

コンサルの若手あるあるだと思うが、一生懸命リサーチをして、資料もたくさん作ったはいいけど、あんまり上司からもクライアントからも喜んでもらった感じがしない、刺さった感じがしない…。そんなことは私も日常茶飯事だった。今でも全く無いわけではないが、それでも「歩留まり」はだいぶ良くなった気はしている。この場合の「歩留まり」は、クライアントに伝えた検討成果の中で、意味があったかなという反応が返ってきた割合を指す。もっとも若手の場合は、作った資料のうち、会議で使われた割合でもいい。とにかく、“次にどれぐらい繋がったのか”は、コンサルとして大事な指標だと思う。それは言い換えると、「付加価値があった」ということ。
ダメなパターンは、クライアントが知っているであろうこと、考えているであろうことを、たくさんお勉強して“なぞる”ような検討。いくらそこに時間を使ったところで、クライアントからは、「そうそう、そうだよね」という反応しか返ってくるわけがない。若手なら、「頑張っているかわいいやつ」と思われるかもしれないが、歳を重ねるごとにそんな無駄な時間の使い方は、お金が発生している以上は許されない。ただの無能になってしまう。

付加価値があるとは

コンサルに限らず、どんな仕事だって、付加価値をつけて、対価を頂いている(はずだ)から、真剣に「付加価値がある」とはどういうことか、考えてみると面白いと思う。なお、世の中には、付加価値も無く、見せかけだけの印象で対価を得ている人もいるかもしれないが、それは持続性がないので無視して考えた方がいい。いつか駆逐されるはずなので、ノイズだと思っていればいい。
私もコンサルという仕事で、何が付加価値になり得るのかをよく考える。
1つに、とてもシンプルな話だが、ニーズが強い仕事であること。誰からも求められていないような仕事は、仕事というより趣味だ。1つに、機械に取って変わられにくい仕事であること。最後は人間の頭が必要になるところの方が価値はある(残る)だろう。1つに、答えが無い仕事であること。調べればわかるようなことならば、別にその人がやる必要はないかもしれない。競争が働いてしまうと価値は下がる。1つに、やれる人・やりたい人が少ない仕事であること。これも競争の原理と同じ。希少性がある方が良い。1つに、大きな意思決定に関わるような仕事であること。コンサルをするにしても、個人の晩飯を何にするかを考えるより、企業の生命線となるような戦略を考えるテーマの方が、価値は高くなるのは自明だ。1つに、相手が知らないことや分からないことを提供する仕事であること。1つに、汎用的なものより、その人或いはその会社に特化した内容を提供する仕事であること。カスタマイズの先に付加価値の源泉があることもある。
このように、言われれば当たり前かもしれないが、コンサルとして付加価値が高い仕事の条件のようなものは、考えれば出てくる。

付加価値を出す工夫

だったら、自分で付加価値の高い仕事をする工夫ができるはずだ。例えば、コンサルならば、なるべく大きな判断に絡むところで、自分の仮説を持ってぶつけてみること、リサーチするだけで満足せずにそこから何が言えるかに頭と時間を使うこと、クライアントができないこと・考えられないことで専門性を持つこと、クライアントが想定していることの逆張りで検証してみること等。
要は、「へーなるほど」、「そうだったのか」、「はじめてはっきりした」等の反応が返ってくれば、付加価値があったということ。別に、1回の会議で「さすが!すごい!」なんてホームランを目指さなくていいと思っている。毎回の会議で、何かしらの気づき、俗に言う、Something newを提示できて、コツコツとヒットを重ねていくやり方もあると思うし、私はその方が、再現性が高くて持続性もあると思っている。その連続で、「さすが!すごい!」という反応を目指したい。
コロナですっかりWEB会議ばかりになってしまったが、コロナ前だと、会議でクライアントにメモしてもらった回数を気にしていた。その日、たくさんメモしてもらえたらならば、何かしらクライアントにとって収穫があったということ。まったくメモしてもらえなかったらならば、その会議は無意味だったということ。コンサルという仕事は実にシンプルだ。

MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴

Contact

お気軽にお問い合わせください

お問い合わせフォーム