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子供の成長からみる、「感動」

2025-10-03

子供の成長からみる、「感動」

感動とは何か?

皆さまは、「最近感動したことは何か?」と聞かれたら、なんと答えるだろうか。
「感動」という言葉の定義を検索すると、「深く感じて、心を動かすこと」、「何らかの事柄に深い『感銘』を受け、心が強く揺り動かされること」と出てくる。
いざ、文字で見ると「感動」ってよく分からない感情だな、というのが、私が抱いた印象。ちなみに、『感銘』を検索すると、「忘れられないほどに深く「感動」し、心に刻まれること」とある。言葉が堂々巡りしている。さらによく分からない。
確かに「感動」することはあるし、「心が動かされる」というのは何となく分かる。ただ、「深く感じて」、「深い感銘を受け」というのは、どういうときなのだろうか。改めて考えてみるとなんだかよく分からない。今回はこの点について触れ、「感動」の意味を考察したいと思う。
(※「感動」には嬉しさや充足感などのポジティブな面と、哀しみなどのネガティブ面の両者が存在しうるが、ここでは、ポジティブ面によった狭義の「感動」を扱う)

育児は感動の連続

子供の成長には「感動」させられることばかりだ。これまでの経験から、「感動」という言葉以外では表せない。
初めて声を出して笑ってくれたとき、初めてのコミュニケーションとして「はい、どうぞ」ができたとき、全くできなかったパズルを一人で埋められたとき、初めて「あってぃ(ち)!」と言って行きたい方向を指差したとき、そして、一人で立ったときなど、数えきれない。
この「感動」した感情を紐解いていくと、3つの要素があるなと感じた。まず、思い浮かんだものは“予想外”であることだ。これまでできていなかったことができた、できると思っていなかったことができたことに対する驚きがそこには含まれていると思う。
次に思い浮かんだものは、“願望”である。いろんな瞬間に「感動」するが、急に子供が文字を書き始めたり、ペラペラ話すようになったりしたら、“予想外”ではあるが、「感動」というより、「驚愕」に近い。何となく思い描いていた、この瞬間が見たい、こうなったらいいな、という“願望”が実現されたときに「感動」というものが生まれるような気がしている。
そして、最後に思い浮かんだものは、“ストーリー”である。どこか知らない赤ちゃんが初めて立っても、「すごいね!」と思うが、感情の振れ幅は小さいかと思う。これまでずっと傍で見てきて、何をしても泣き止まなかったり、家をぐちゃぐちゃにされたり(今でもする)、一生懸命作ったご飯を食べてくれなかったり、看病で一晩中抱っこしたり、自分自身として「ここまでくるのに色んな事があったな…」と振り返るものがあるからこそ、「感動」が生まれるのだと思う。前述の、「深く感じて」、という点は、特にこの“ストーリー”を噛みしめ、振り返ることなのではないだろうか。

感謝・感激・感動

上記を踏まえ、「感動」とは、心の隅にある“願望”が“予想外”に実現したときに、これまでの“ストーリー”が報われ、内側で腑に落ちたときに強く立ち上がる感情なのではないかと自分の中でイメージを少しクリアにすることができた。

MAVISの人材募集要項の「求める人物像」には、「何より他者に喜ばれ感動されることでモチベートされる」こととある。この「感動」については、MAVISの中では、よく「感謝」と「感激」と比較される。私がこれまで解釈していた、MAVISでのそれぞれの言葉の定義は、
感謝・・・クライアントに依頼されたことを着実にこなして、「ありがとう」と言われること
感激・・・クライアントの依頼されたことに対して、期待値より大きい成果物を提示して、「ここまでやってくれたんだ!」と思われること
感動・・・クライアントの“予想外”の提案・提示を出し、「そんなことまでやってくれるのか!」と驚きを与えること
ということであるが、上記の経験を踏まえると、不十分だったなと反省している。
クライアントが密かに抱いていた“願望”を掘り起こし、これまでの“ストーリー”に寄り添った上で、“予想外”の提案・提示があるからこそ、先方は腑に落ちるし、初めて「感動」は生まれるのだと改めて自覚した。だからこそ、「感謝」や「感激」よりも、一段深い。クライアントがどんな“願望”とどんな“ストーリー”を持っているかを想像し続け、「感動」を生み出せるコンサルタントになりたい。

MAVIS PARTNERS アナリスト 神尾唯

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