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肩書を忘れられる関係性

2024-05-17

肩書を忘れられる関係性

高校の同級生の現在にびっくり

GWに地元に帰省して、高校の同級会に参加してきた。30歳の節目を迎えて、久々に顔を合わせようという会だ。
卒業から10年以上ぶりに会う人も多く、女性は(化粧とかもあるので)垢抜けたりしている人も多かったが、男性は体型以外に外見の変化はほとんどなく「変わってないね~」なんて話していたが、現在の職業を聞くと「え、●●くんがそんな仕事しているの!」というのも多かった。
警察官や、市役所の職員といったお堅い仕事の人もいれば、スタートアップの経営者や、映像制作のフリーランスをやっている人、中には裁判官になった同級生もいた(私の高校はど田舎の公立高校で、親が教育熱心な人が多かったので、どちらかというとお堅い職業を選んだ人が多いような印象)。
しかし、高校時代から知っている仲なので、話をしているときは互いの肩書を忘れている瞬間の方が多く、ふと思うと「●●くんが警察官とか信じられないな」という気持ちになった。

仕事仲間以上の関係性

社会人になってからは、多くの時間を仕事に費やしていることもあって、なかなか互いの肩書を忘れて話す機会というのは少ない。
別にそれが不満とかいうことでは無いし、一人のビジネスパーソンとして、相手の役職や仕事内容等の置かれた立場も踏まえて、適切にコミュニケーションを取ることは、我々の仕事に必要不可欠ではあると思うものの、今後長く付き合っていく関係性を築くためには、互いの肩書を忘れて話せるような仲になることも大事かもなと思った。
コンサル業界、スキル面でいえば、自分よりも優秀だったり知見を持っていたりする人材は腐るほどいるし、能力の面で誰にも劣らない人材になれるとは思っていない。もちろん能力を高めていくことは重要だし、今後も続けていかないといけないが、それでも、「井田に頼みたい」と思ってもらうためには、そういったスキル面以外のところで差別化する要素が必要になるだろうなと思う。
仮に、同じテーマで自分と他社が提案したときに、それが同等の質・金額感だったときに、最後に物を言うのは、その人と培ってきた関係性で、それは仕事仲間という関係性を超えたものということも世の中あるのだろうなと。

「Zoomでサクッと」は特殊な環境

今日X(旧Twitter)で、「東京ではZoomで打ち合わせをして、サクッと仕事が決まったりすることが多いが、地方に行くと全然そんなことは無くて、一緒に飲んでいるときに仕事の話に発展したりすることが多い。実は東京の環境は特殊なのだが、多くの人は東京のような大都市で働いているので、それが通常だと思っている人が多い」というような投稿を目にした。
私も実際に地方で仕事をしたことが無いので、この投稿の真偽は不明だが、たしかに、対人の仕事をしている以上、仕事の中身と同等かそれ以上にそういったウェットな人間関係というのが重要になる場面も発生してくるのかもしれない。
どちらかというと人が取ってきた仕事をしている現状から、自分で仕事を取ってきたり作ったりする立場になるためには、頭でっかちにならず、人と人との関係性の中で仕事をしていく必要があるなと。

M&Aでも重要な論点

弊社ではM&A関連のご支援の中でも、PMIを取り扱うことが多々あるが、PMIにおいても良好な人間関係の構築というのは、M&A成功可否に大きな影響を与えることは言うまでも無い。
例えば規模の比較的大きな会社が、小規模な会社を買収して、統合していくとき、小規模な会社側からしたら、自分たちの職場環境が変わって、これまで通りに仕事ができなくなる。あるいは仕事を失ってしまうのではないかといったような恐怖感を覚えることもあると思う(実際にはそんなことは無かったとしても)。そんなときに、どうすれば互いに信頼し合って、元々他社であったことを忘れられるような関係性を築けるのか?というのは重要な論点で、今回同級会に参加したときに思ったことと通じる部分があるのかもしれない。

MAVIS PARTNERS アソシエイト 井田倫宏

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