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新規事業の探し方~過去を振り返れば宝が見つかる~

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1年の始まりはチャレンジから

新年を迎え、新しいことにチャレンジしようと考えている方もいらっしゃることだろう。私もいくつか新しいチャレンジを考えている。普段の読書は歴史ものや経済小説、スパイ小説を読むことが多いのだが、1月は哲学書を読むことにした。抽象的な思考の世界に入ってみて、今一度思考方法について考える機会を設けたいと思う。また、COVID-19の関係で旅行を控えたり、テレワークの多い生活になっているため、ウォーキング等で身体を動かしたいと思う。近所に墨田川があり、草木や水面を見ているだけで癒される。
ビジネスでも、ICTの技術革新等の影響により第4次産業革命が今まさに進行中で、新しいことにチャレンジしようとしている企業が多いことだろう。このところ弊社でも新規事業探索支援の依頼が増えている。流れ的には、やはりモノ売りからコト売り、サービス領域に重心を移そうとする傾向があるように思う。本コラムでは、新規事業探索について述べていくことにする。

新規事業探索のアプローチ

新規事業の探索の最初もやはり基本的には3C分析から始める。市場(Customer)を調査・分析してKBF(Key Buying Factor)を抽出し、競合(Competitor)の戦い方から勝ち筋を見極めて、市場と競合の分析よりKSF(Key Success Factor)を出し、自社(Company)のリソースがKSFを満たしているかのFit/Gapを分析して、足りないGapの部分をどのように埋めるかの戦略を練る。新規事業を探索する観点では、市場分析は、どのようなニーズがあるかを探る。例えば、IPランドスケープというアプローチがある。IPランドスケープとは、市場情報、製品のリリース情報、知財(特許)情報、論文情報、対象企業についての有価証券報告書等の公開されている情報をミックスして分析し、経営戦略策定の参考とする手法である。ここで使う特許情報とは、特許庁より特許(公開)公報として公開されるビッグデータである。IPランドスケープ手法を利用した市場ニーズを探索するアプローチは、顧客企業の特許情報から、どのような課題があるかを見ることにより、ニーズを探ることができるのである。IPランドスケープ手法を使った競合の分析では、既に顧客ニーズを解決する技術を開発している企業がないかの確認ができる。また、既に開発が進んでいる企業がある場合、別の方法で顧客ニーズを満たせないか、別の方法を取れないときは、敵に回すより、提携又はM&Aにより味方にする選択肢があるかを検討するのである。

宝の見つけ方

新規事業を検討するにあたって、別のアプローチもある。過去に検討して断念した新規事業案を再度、見直すのである。事業化できなかった事業案の中には、検討当初は、時代に先行するあまり、市場がまだ立ち上がっておらず、ニーズがないと判断したり、ニーズがあるものの技術的に課題があり克服できずに断念したものもあったであろう。そのような事業案は、時間が経過した今、有望な事業案になり得る可能性がある。市場が立ち上がっていなかったものについては、市場環境が整いつつあるかもしれないし、技術的に課題があったものは、技術が進歩し、今では課題を克服できるかもしれない。私の経験上、過去に断念したものは、5年、10年サイクル程度で復活することが度々あった。断念した事業案であっても、将来の宝になる可能性があるため、これら事業案を検討した痕跡は残すべきである。データベース化して保存し、新規事業を検討する可能性のある企画系の部署にアクセス権限を与え、いつでも参照できるよう環境を整えるべきである。特に、大手企業の場合、企画系の部署は複数あることが多いので、データベース化して他部署と情報共有することの意義は大きい。他部署と情報共有することで、時間の経過を待たず、直ぐにでも他部署で別アプローチにより事業化できることもあり得るからである。断念した事業案であっても、データベース化することにより、タイミングを逃さず、ビジネスの機会を捉えることができる。過去に断念した事業案には、お宝が眠っているかもしれない。新規事業の探索をしているならば、過去の案件を今一度見直してみることをお薦めする。

MAVIS PARTNERS アソシエイト 竹森久美子