4.プリンシパル
印刷仕事の数より、仕事の質にこだわりたい
2025-09-12

「数」を追うことに意味はあるのか
近年のコンサルティング業界では、規模拡大を掲げる会社が増えてきたように思います。「売上を〇倍にする」、「コンサルタント数を何百人、何千人にする」といった目標を前面に出し、まるで大きさそのものが価値であるかのように語られます。もちろん、規模があることで受けられる仕事の幅が広がるのは事実でしょう。しかし、その中身を見てみると、「戦略プロジェクト」という名の単なるリサーチ業務であったり、実質的には派遣社員のように常駐して支援する業務であったりすることも…。
クライアントにとっては短期的に便利かもしれませんが、私たちがやりたいのは「人手を補うこと」ではありません。経営の意思決定や企業の未来を左右する局面で、クライアントの隣に立ち、一緒に答えを探すことです。規模の数字が大きくなっても、やっていることが人材派遣と大差ないのであれば、そこに本質的な意味があるとは思えません。もちろん、規模拡大し、利益を増やすことができるならば、営利企業としては成功なのかもしれませんが、私は正直、そうした拡大戦略には共感できません。
“自由”のはずが、面白くないフリーランスの現実
もうひとつ、近年増えてきたのがフリーランスのコンサルタントです。会社に縛られず、自由に働けるスタイルは確かに魅力的に映ります。しかし、現実には大手ファームの人手不足を埋める“おこぼれ案件”や、社員代替のような仕事が多いのが実態です。確かに収入を得る手段としては成り立ちますが、それが本当に「コンサルティングの面白さ」につながっているかと言えば、疑問を感じます。
本来、コンサルタントの醍醐味は「未知の課題に挑むこと」にあります。どの教科書にも書かれていない問いに直面し、クライアントと一緒に汗をかき、答えを創り出していく。ところが、フリーランスの多くの案件は「既に形が決まっている仕事を補助する」役割にとどまることが多いように見えます(少なくとも私の目からは)。自由を得たはずなのに、実態は依頼された作業をこなすだけ。そこにスリルややりがいは少なく、やはり、こちらに関しても私は魅力を感じません。
MAVISにあるのは「難しいけどやりがいのある仕事」
だからこそMAVISは、仕事の「数」ではなく「質」にこだわりたい。他のファームが受けたがらない案件こそ、むしろ積極的に受けたい。難しくても、答えが見えなくても、そこで本気で汗をかくことに意味があると考えています。そして、どこかのファームから流れてきた案件ではなく、クライアントから直接相談を受けることに意味があると思います。目の前で「どうしたらいいか分からない」と言われたときに、ゼロから共に考え、出口をつくり出していく。その過程で出した成果は、単なる納品物以上の価値を持ちます。クライアントが「やっぱりMAVISに頼んでよかった」と思ってくれる瞬間こそが、私たちの存在理由なのでしょう。
そして、この積み重ねこそが、MAVISという独自ブランドを形づくるのだと信じています。知名度が高くなくてもいい。「知る人ぞ知るファーム」で十分です。むしろ、「今まで知らなかったけれど、相談してみたらものすごく良かった」と言ってもらえる方が嬉しい。華やかな広告で実力以上の認知度を獲得するより、一つひとつの難しい仕事を地道にやり切る。その先にしか、本物の信頼は生まれません。
これからも質を磨き続ける
MAVISは小さい組織ですが、ありがたいことに難しくてやりがいのある案件が舞い込んできます。だからこそ、私たちが目指す姿はシンプルです。企業がどうしようもなく困ったときに、「とりあえずMAVISに相談してみよう」と思ってもらえる存在であること。そして、厳しい環境に身を置きたいと考える人材から、「MAVISで働いてみたい」と思ってもらえる会社であることです。
そのために必要なのは、派手な規模拡大ではなく、一つひとつの案件で誠実に成果を出すこと。数を追うのではなく、質を磨き続けること。何よりもクライアントからの感謝、感激、感動を追求することだと思っています。
MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴








