3.マネージャー
印刷“無意識に自分の体が勝手に動いてしまう動作・行動“ってなんだ!?
2024-04-19
最近よく見るSNS広告
最近「強みが分かるPDF配っています!」というSNS広告にやたらターゲティングされている。覚えている内容をお伝えするとこんな広告だ。
Aさん:Bさん!最近仕事がうまくいかないんですよね・・・
Bさん:仕事がうまくいかない・・なるほど。じゃあ自分の“強み“はなにかわかっているのかな?
Aさん:自分の強みですか・・?なんとなく・・
Bさん:なんとなく・・・その状態、一番危険です。自分の強みが分からなければ、仕事で成果を出せるわけがないですよね。ここでいう“強み”っていうのは世間一般的な強みではなく、子供の頃に時間を忘れて集中してしまっていたような、無意識に自分の体が勝手に動いてしまう、そんな動作・行動のことです
Aさん:でもそんな強みが分かる方法ってあるんですか?
Bさん:あります!いま、“自分の強みが分かるPDF“を無料で配っています!
というような内容だ。このBさんがなぜか引き込まれる顔をしていてここまで覚えてしまうくらいSNS広告が表示されるたびに視聴してしまっている。もしこの広告の認知度調査があったら自信をもって「見たことがある」と回答できる。ただ、無料で配っているPDFはダウンロードしていないし、この広告で言っている強みって何のことだ?と思っていた。
広告で言っている“強み”の定義は何か?
我々のPJでも、特に戦略案件や、BDDなどでは市場・競合・自社(対象企業)の分析を行うわけだが、自社(対象会社)の強み・弱みも分析する。ここでいう“強み”というのは相対的なもので、対象とする市場や比較する競合が異なれば変わりえるものだ。もともとそういう定義が私の頭の中にあったので、広告でBさんが示唆する「絶対的な強み」という意味が理解できなかった。ただ、広告を何回も見るので、だんだん「この人は何を言っているんだろう」と考えるようになった。すっかり広告の術中にはまっているわけだ。
考えた結果、この広告で言っている強みは、「他人と比較して優れている箇所ではなく、自分の性格上やっても苦ではない(むしろ率先してやってしまう)行動とか、自分の集中力が上がりやすい環境を作る能力」のことだと理解した。もちろん勝手な解釈なので、全然違うかもしれない。ただ、確かに「自分が取り組んでも苦ではない行動」とか「集中力が上がりやすい環境・状況」を理解すること自体は大事だろうなと思った。
確かに大事な“自分の強み”を理解すること
そんな解釈のもと、私自身“苦ではない行動”は何なのかぼんやり考えた。
身近なものでいうと掃除だ。考えてみれば小学生のころから掃除や整理整頓が好きだった。掃除をして綺麗な状態だと集中力も上がった。また、「今は汚いけど、これが終わったら絶対きれいにしてやるぞ!」というのがモチベーションになることもあった。例えば大学受験の時とか就職活動の時には、部屋がテキストや会社案内パンフレットなどであふれかえっていたのだが、「受験(就活)が終わったらこれ全部捨てられる」という思いが謎のモチベーションになっていた。
おそらく掃除が好きという性格と関連して、面倒なことは片づけてから遊びたいと考えるタイプで、小学校の時には友達と遊ぶ約束をしていて、友達を家の外で待たせてまで宿題のプリントを先に終わらせたこともあった。(その時友達には怒られた)
他に苦ではないこととして、誰かに相談されることとか質問されることに対応することも嫌いではなかった。新卒で入った証券会社の時には、業務に関する些細なこととかマーケットに関する質問を同期に聞かれるたびに自分の業務を止めて対応していたら上司に怒られたことがあった。最終的には、「同期後輩に個別に教えて時間取られるくらいなら、マーケットに関する情報を部署全体に共有しろや」ということで、メーリスを立ち上げて毎朝全体発信していた。大学の時にはある科目を教えてほしいと言われて個々に対応していたら、キリがないのでテスト前に教室を借りて20名弱くらい講義をしたこともあった。
仮にこういう動作・行動がSNS広告でいう“強み“ならば、確かに理解しておくのは重要だと思ったし、コンサルとしてPJを運営する身としては、自分だけではなくチームメンバー、ひいてはクライアント側のPJメンバーが何に対して無条件に体が反応してしまう人なのかを把握するとPJを進めやすくなるなと思った。自分ではなく人の強みが分かる無料のPDFがあれば是非ダウンロードしてみたいものだ。
MAVIS PARTNERS マネージャー 渡邊悠太