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限りある時間をどう使うか

2024-02-02

限りある時間をどう使うか

人生は意外と短い

ふと、中学や高校のときの出来事や、大学時代の思い出が蘇ることがある。印象深いこともあれば、何気ない日常の一コマの場合もある。そして、もうあれからうん十年か、なんて思ったりする。きっと、10年後、20年後、今こうしてコラムを書いている瞬間をふと思い出すこともあるんだろうし、子供と戯れている時間、妻とよくわかんない話で笑ったこと、なんともない日常生活が、ふと思い浮かぶことがあるのだろう。
意識をしていないと、あっという間に時間は過ぎてしまう。朝起きて、仕事をして、ご飯を食べて、家族と過ごして、やるべきことをやっているだけで、1日が一瞬で過ぎていく。それは、決して悪いことではないし、むしろ幸せなことなんだろうと思うが、気づいたときには、あっという間におじいちゃんになってるんだろうなと思うと、少し寂しい気持ちもある。

なんでも思考から少なくとも思考へ

20代や30代前半までは、無敵な感覚があった。根拠なき自信。そして、体力もあるから、頑張れば頑張るだけ結果もついてきて、ますます無敵感が増す。残りの人生の時間なんて考えていないし、考える暇もないから、まだまだ人生の選択肢が無限にあるように思えたし、それに迷えることもできた。
でも、徐々に年齢を重ねて、身体のガタも少し感じ始めると、残りの時間が惜しくなる。「なんでもかんでもできると思っていたらダメだな」なんてようやく考えるようになった。コンサルタントとして、リソースの有効活用は当たり前なはずなのに、ようやく自分のリソース配分について考えるようになった。
時間に限りがあることを認識すると、取捨選択をせざるを得ない。何をやって、何をやらないか。今後の人生において、少なくとも何ができれば満足と言えそうか。譲れないものがなんなのか。やらされているもの、流されてやっているもの、本当は好きじゃないもの、そういうのは全部削がないといけない。

仕事においてのインパクト

やってみたいものがあればやればいいと思うが、本当に心からそれをやりたいのか、やるべきかは慎重に考える必要がある。「とりあえずやってみてから考える」は、今からだとリスキー過ぎるように思う。もっとリソースを投下すべきことがないのかは、相対的にも考えたほうがいい。
ここ数年、同年代の知り合いの活躍を、ニュースやSNSで聞くことが多くなった。会社をここまで大きくしましたとか、大手企業でこういうポジションに就きましたとか、新しくビジネスをはじめて上手くできましたとか。とても眩くて、キラキラしていて、単純にすごいなぁと感心している。
一方で、そういうものに流されちゃいけないとも強く思う。自分が同じようなことをやろうとしても(もちろんできないかもしれないが)似たようなことをやれたところで、彼ら彼女らよりも社会的インパクトは小さいだろう。自分がそこにリソースを投下しても、貢献度合いが小さいのだ。

これが不惑の現れ?

自分の場合は、事業をつくって大きくしていくよりも、コンサルタントとして、既にある事業会社を支えて、そこに影響を与えることで、事業会社の中の人たちに対してはもちろん、その事業会社を通して世の中に対して貢献をするほうが明らかにインパクトは大きい。なにか専業で事業会社を経営するよりも、あらゆる事業会社を診つつ、業界の垣根を超えてコンサルをしている方が、自分の強みが生かせると思っている。
また、これまで培ってきた知見を整理して世の中に発信することで、受け取った人がそれを仕事のヒントとして実業に生かしてくれるほうがインパクトが大きい。特に、発信する内容がM&Aの知見であれば、M&Aによる失敗で多額の損失が発生する確率を少しでも下げられるかもしれないし、M&Aで不幸を感じる人を少しでも減らせるかもしれない。
これらは、決して目立つことはない社会貢献の仕方だと思うが、そもそも目立ちたいわけではないし、自分で貢献している手応えが感じられればいいので、今のような考えに自分で納得しているのだと思う。事業会社のコンサルティングを通して、加えて、知見発信を通して、世の中に影響を与えること。それが自分の仕事だと思うのだ。

MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴

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