生成AIやDeepResearchの誕生により変わるコンサルの現場
生成AIとは、人間が入力したデータや文章をもとに、新しいテキストやアイデアを“自動生成”する技術のことで、ChatGPTやDeepSeek、Geminiといった高精度AIが代表例として挙げられる。コンサル業界でも、すでに多くの企業が導入を進めており、短時間で膨大なデータを分析し、資料作成や提案書のドラフト生成を行うなど、“優秀な後輩”さながらに多くの定型的タスクを肩代わりしてくれる。実際、DeepResearchを活用した企業では生産性が50%以上向上したり、年間数億円規模のコスト削減に成功した事例もあるという。
では具体的に、AIはコンサルのどんな業務を代替できるのか。たとえば、クライアントの現状調査や市場リサーチ、膨大な数字のデータ分析、さらには会議の議事録起こしや資料の素案作成などが典型的だ。これまではコンサルタントが深夜まで“汗だく”でこなしてきた作業を、生成AIが驚くほど短時間で終わらせてしまうケースも少なくない。ただし、そうした効率化で浮いた時間をどこに振り向けるかが、コンサルタントの仕事価値を大きく左右するだろう。まるで荒地を一瞬で整地してくれる重機が現れたようなものだが、その土地を使って何を作り上げるかは、まだまだ人間の腕の見せ所というわけだ。
コンサルが発揮すべき新たな価値と生成AIが広げる可能性
精度の高いAIが当たり前にうごめく現代において、コンサルの真価は“人が介在する意味”をいかに示せるかにかかっている。たとえDeepResearchが一瞬で最適解を導き出しても、クライアントが抱える悩みは必ずしも数字の組み合わせだけでは語れない。組織特有の課題やステークホルダー同士の思惑、現場の抵抗感など、AIの計算では割り切れない要素をくみ取り、実行に移せる形へと落とし込むコミュニケーションこそが、コンサルタントに求められる付加価値ではないかと思う。
さらに、生成AIが単純作業を代行してくれることで、コンサルタントはより高度な課題設定や戦略立案、ひいては企業変革のシナリオづくりに注力できるようになる。大量の情報を瞬時に整理し、“忙殺”状態を脱却することで、新しいビジネスモデルの創出やステークホルダー間の利害調整に専念できるのだ。ある意味、生成AIの登場は、コンサルタントが「どれだけ仕事を速くこなせるか」ではなく、「どれだけ濃密な成果を創出できるか」を突きつけられているとも言える。言い換えれば、AIはただコンサルの仕事を奪うのではなく、一段高いフィールドで勝負できるチャンスを与えてくれているのかもしれない。
生成AIの恩恵は平等に降り注ぐ
ここまで、生成AIについて、私自身がコンサルタントの視点から考えを述べてきたかのように見えるが、実はこの上二つの章は「AIにコンサルの仕事は奪われるのか?」というテーマをChatGPTo1モデルに与え、DeepResearchを活用して、執筆してもらった文章である。インプットとして与えたのは、MAVISのコンサルタントが過去執筆したコラムと、私自身の過去のコラムのみで、私の文章スタイルに似せて執筆してくださいと、指示をしただけで、数分で上記のような文章を出力してくれた。論旨を見てみると生成AIにコンサルタントが完全に仕事を奪われるわけではなく、さらなる”濃密な成果”を創出できるかが重要という活躍の余地を残してくれていることに少々の優しさを感じつつ、このレベルの文章(上記は生成AIが出力したものをそのまま記載している。)を情報ソースも添えつつ、数分で出してしまう存在が誕生したことには震撼せざるを得ない。私自身も普段業務で生成AIを活用してその恩恵にあずかっているため、もはや生成AIの活用が当たり前になりつつもあるが、一つ忘れてはいけないことは、コンサルタントに関わらず全ての人に生成AIはこのレベルのアウトプットを与えてくれることだ。しかも、無料で活用できるものも多くある。そのため、勿論MAVISが普段相対しているクライアントもAIを活用して、PJに関しての検討を進めている可能性は大いにあるということだ。
この現状を踏まえ、再度襟を正して”AIに出せない私自身の価値とは何か?”、”AIを活用して発揮できる更なる価値とは何か?”を業務を通して見つめなおしていきたい。
MAVIS PARTNERS アナリスト 定永悠樹