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スマートウォッチの意外な効用を感じた

M&A戦略 MAVIS PARTNERS コラム67

はじめてのスマートウォッチ

私はどちらかというとアナログ人間で、デジタルに疎い方だ。最新家電やらにも興味は特にない。どういう仕組みで機能するのか分からないものは、何となく信用できないというか、(当たり前だが)とても無機質で機械的な感じがしていて、どうしても遠ざけてしまう。そんな私が、先日、はじめてスマートウォッチを買った。これまでスマートウォッチなんて絶対つけないだろうと思っていた。通話やメール、電子決済をしたければスマホを使えばいい。スマホで事足りるのに、わざわざ腕時計としてスマートウォッチを選ぶ意味が分からなかった。通知がバンバン来て、それを気にするが余り、自分の時間が奪われてしまうのではないかとも思っていた。
では、なぜスマートウォッチを買ったか。それは、仕事でもIoT絡みのネタが増えてきたからだ。IoTとはどういうことなのか。ネットや書籍では見聞きしているので、概念は分かるものの、遠い存在だった。なので、実感が少しでも湧くかなという期待もあって、スマートウォッチを買って付けてみることにした。

意外な効用が?!

はじめは腕に付けるのも、邪魔くさいなと思っていたが、軽量のバンド型を選んだこともあり、数時間したら気にならなくなった。時間もパッと確認できるので、軽い時計をしているような気分だ。そして、何より意外だったのが、通知がくることで、スマホを見る時間が明らかに減ったことだ。これまでは、メールが来ているかを確認するために、何度もスマホをチラチラ見ていた。仕事中や移動中はマナーモードにしていないといけないし、バイブレーションに気づかない事が多い。気づかずにいると、連絡をくれた相手を待たせてしまうかもしれないので、やはり何度も自発的に確認してしまう。その際、メール確認だけではなく、Slackの確認だったり、気になっていたことを検索してしまったりと、余計な時間も掛かってしまう。スマートウォッチをつけるようになって、それが全く無くなったのだ。通知が来たら、手首がバイブレーションで震えるので、気づかないことはないし、通知内容をちらっと見て、大した内容じゃなければ無視できる。おかげでスマホに逆にとらわれずに済むようになった。
もう1つ意外だったのが、単純に計測自体が面白いということだ。装着していると、ストレス度合いから心拍、歩数など、色々なデータがストックされる。最も面白いのは睡眠データ。スマートウォッチで計測したデータは綺麗にグラフ化される。スマホのアプリでそれを眺めていると、いつ寝入って、いつ途中で起きてしまい、いつ深い眠りかだったのかが分かる。そして、睡眠スコアまで判定される。今日はよく寝られたとか、寝られていないとか、数値で分かるのが実に面白い。

2極化する世界

そんなこんなで、1週間もすると、腕に装着していないのが逆に不自然になってしまった。ストックされたデータを見ながら、自分の体調も予測できるので、今日は早く寝ようとか、そういう意識が働くようになった。すっかりハマってしまい、Bluetoothで接続できる体重計も買ってしまった。毎日計測することで、体重・体脂肪・水分量・タンパク質などが記録できて、体年齢も分かる。それがまた面白く、もっと若くなってやろうとか思えるし、ちょっと食べすぎに気をつけようとか、そういう自分への気遣いにも繋がっている。スマートウォッチは、仕事効率化という効果もあるだろうが、自身の健康意識を高める効果もあるようだ。
こうして、まんまと(?)個人データが抜き取られ、どこかで活用されているのだろうかと思うと、ちょっと複雑な気持ちでもあるが、一方で、私個人のデータに何の価値もないと現実的に割り切れば、大して気にならない。今後、個人データの管理は厳しくなる一方、個人データの活用は益々増えていくのだろうし、データをストックして、そこから最善解を出すのが当たり前の世界と、そうでない世界と、2極化していくのだろうなとも思う。我々コンサルタントは、どちらかだけで生き残ることを考えるのではなく、両世界を行き来しながら、クライアントに対しての最善解を模索していかないといけない。そんなことを考えさせられただけ、今回の買い物の価値はあった。

MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴