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成長する人とは?

M&A戦略 MAVIS PARTNERS コラム57

ビジネスパーソンの生涯交換する名刺は平均1,300枚?

弊社には、問い合わせ受付用のメールアドレスがある。仕事の相談や採用に関しての問い合わせを受け付けるために設けたメールアドレスだが、HPで開示しているせいか、営業メールも頻繁に来る。先日、その営業メールの1つに、「ビジネスパーソンの生涯交換する名刺は平均1,300枚」と書かれていた。名刺を活用して商談を生み出しましょう、というセミナーの案内だ。
過去、交換した名刺の数なんて今まで数えたことがなかったので、ふと、某クラウドサービスに登録している枚数を見たら、ちょうど1,000枚ぐらいだった。私は、転職するたびに大方の名刺は処分してしまうので、過去、交換したのべ数で言えば、軽く2,000枚は越えていそうだ。そんなに意識をしたことがなかったが、私は、ビジネスパーソンの中では比較的たくさんの人と会っているようだ。名刺をパラパラと見ながら、色々な人とお会いして、色々な議論をしてきたなぁとしみじみ思い返していた。

自分が唯一正しいと思っている人たち

それだけ多くの人と会って話しているのだから、すこぶる印象の良くない人もいる。特に、初回訪問の思い出が多いが、印象の良くない人は、基本的に偉そう。最初から、相手を下に思った態度で接してくる。コンサルタントを毛嫌いする人もいるので、そういう状況も慣れているが、だったら、アポイントを取る連絡時点で断ってくれればいいのになぁと思う。M&Aコンサルティングに関する話をしても、「いや、そんなの必要ないでしょ」とか、「それやって意味あるの?」とか言ってくる方もいる。こちらは、必要だと思っているから説明しているわけで、端から拒否反応を示されると、うーんという気持ちになってしまう。自分の考えが唯一正しく、その他の考えは間違いだという前提が根本にはあるようだ。こちとら、それでクライアントに対して成果を上げてきているんだから、ちょっとは聞く耳を持てばいいのに、と思う。そして、そういう人に限って、実は大したことがない。物を知らないし、経験も少ない。

スポンジのごとく吸収する人たち

一方、印象の良かった人、この人は凄いなと思った人もいる。そういった人たちは、漏れなく自分の考えを持っているが、非常に柔軟だ。「自分はこう考えているんだけど、田中さんはどう思いますか?」とか、「私の考えって、寄ってますかね?」とか、「何でもおかしい点は言ってください!」とか、平気でおっしゃる。前提として、自分の考え以外にもっと良い考えがあるはずだ、という謙虚さがあり、それを模索し続けているように思う。相手が誰だろうと、参考になる点は素直に受入れ、自分のものにしてしまおうとする、“健全な強欲さ”があると思う。特にシニアな方に、それをされてしまうと、「敵わんなぁ…」と感じる。加えて、何かの拍子で、私が話したエピソードを、さっと捕捉して、自分事に捉え、「それって、弊社だとこういう風にも言えますよね?」と、意味づけしてしまう傾向もあるように思う。話せば話すほど、ノウハウを吸い取られていく気もするが、そういった方々と接していると、こちらも刺激があるため、これからもお付き合いを大事にしていきたいと思う。

井の中の蛙にならないように

結局、成長し続けるためには、どうしたらよいか?これまでに色々な人と出会い、接してきたから言えることとしては、「井の中の蛙にならない」ということだと思う。どんな組織でも、相対的に優れた人はいる。ただ、あくまで「相対的に優れた人」だ。その組織を出てしまえば、これまで優れているとされていた点も、そうでなくなる可能性がある。それを常に意識しておくこと。有名な大手企業の中で、優秀とされていても、その外では通用しないケースなんていくらでもある。今、もてはやされているのは、その環境にいるからこそで、世の中にはもっと凄い人がいると思っていなければならないし、そのマインドセットが無ければ、成長が止まる。コンサルタントという文脈で言えば、有名かどうかではなく、単純に問題解決能力があるか否か。自分の腕前を磨き続けなければならない。

MAVIS PARTNERS プリンシパル 田中大貴